『本は読めないものだから』/400字エッセイ

『本は読めないものだから心配するな』という本を知って、免罪符を得るがごとく購入した。

大学者にしてもこの本の筆者にしても、読んだ内容の大部分は忘れてしまうという事実に救われる。特に、「本に冊という単位はない」との主張は目からうろこ。すべてのテクストはひとつの流れと考えるそうだ。

私は、基本的には始めから終わりまで読み通したいタイプなのだが、実際はあれこれつまみ食いをするような読み方になっている。Aという本を読んでいたらBの本が気になりだし、そうかと思えばネットに移ってウィキペディアを見始める。気がつけばAはそっちのけで全然違った文章を読んでいるわけで、そのうちAはそっと積読コーナーに戻される。

小説などの物語なら別だが、エッセイや学術書であれば抜粋して読んでも構わないと思う。読書好きほど「冊」にこだわり、読みかけを気にしがちだ。

素晴らしい考え方を見つけたのを良いことに、今日もまた新たな本を積む。

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