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『いまどきの女子のことば』/400字エッセイ

いまどきの女子のことばに「よ」「わ」「ね」という語尾はないのだ凛と行くのだ/さいとうすみこ

語尾に「よ」、「わ」、「ね」を付けて話す女性は少なくなった。YouTubeなどを見ていても、男性顔負けの激しい口調や言葉遣いで見る者を楽しませる配信者が目立つ。

高校時代、私の友人にお手本のような女性言葉を使う子がいて、かえって新鮮だったのを今でも覚えている。「そうよ」、「仕方ないわ」、「いいのね」を本当に使っていて、私としては女性言葉の美しさに惹かれた部分はあった。

女性言葉を使う限り、どうしたって汚い表現や、きつい言い方になりにくい。そのことが女性の本音や表現を奪ってきたのだとしたら、今の傾向は評価されるべきなのかもしれない。

今や女性言葉は、映画の吹き替えか村上春樹の小説くらいでしか見られない。フィクションの中で「ござる」が侍を表すごとく、「よ」、「わ」、「ね」はファッションとして残っていくのだろう。

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