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【スイカ♡】

二番目に好きな果物は何ですか?

私はスイカかなぁ〜。
ちなみに一番好きなのはイチゴだけど。

夏の果物は沢山ある。パイナップル、パパイヤ、マンゴー、ブドウ、ナシ、モモ…いっぱい出てくるけど、やっぱりスイカが好きだ。冷蔵庫や井戸水で冷た〜く冷やして、三角形にザックリと切って、塩を振って頭からガブリと齧り付く!

甘い果汁が口一杯に広がって、流し込むようにゴクリと飲み込むと、爽やかな清涼感が熱くなった身体をふっと和ませてくれる。

子ども頃は、赤い所を残すのがもったいなくて、真っ白になるまで皮をガリガリと齧っていた。
母には「まるで欠食児童のようね。やめなさい!」とよく注意され、お行儀よく赤い部分をある程度皮に残すようにするのが大変だった覚えがある。(笑)

スイカと言えば…タイの「スイカジュース」もかなりのお気に入りだ。旅先のレストランでは、必ずスイカジュースをオーダーしていた。半分凍らせた果肉をジューサーにかけた、シャーベットの様なシャリシャリ冷たいジュースだ。タイの高温多湿の貼り付くような暑さの中で、ぐったりとくたびれてしまった身体にゴクゴクと一氣に流し込むと、本当に生き返った心地になる。

レストランによっては、スイカシロップ(かき氷のイチゴシロップみたいなやつ)を混ぜて作った紛い物が出てくることがあったが、甘みだけが強調された味にはがっかりで、外れくじを引いてしまった氣分になる。やっぱりスイカ100%じゃないとあの爽やかさは出てこない。

夏のギリシャでも美味しいスイカの思い出があった。ギリシャで開催されたダンスのワークショップに参加した時のこと。空港から宿泊ホテルまでタクシーで一時間弱程かかる長い道中、タクシーの運転手と片言の英語で世間話などして時間を潰す。

タクシーを走らせると、街中にスイカの露店が幾つもあってその前を何度も通り過ぎてゆく。 

「わぁ、大きなスイカ!私、スイカが大好きなんです。」と何氣なく話すと、運転手は「OK!」と言ってにやりと笑うと、ある露店の前で車を止めて、店のおばさんと何やら親しげに話している。おばさんもにっこり笑ってこちらを見ている。

すると、運転手は「どれでも好きなのを選んでいいよ。プレゼントだよ」と嬉しそうに言って、ラグビーボールの2.5倍程ある大きな楕円形のスイカを一つプレゼントしてくれた。

大きなスイカをタクシーに積んでホテルで降ろしてもらう。無事にチェックインを済ませ、大きなスイカを友人と一緒に部屋まで運んで、備え付けの小さな冷蔵庫に何とか押し込んで収めることができた。

さて、この大きな思わぬプレゼント。ダンスの仲間たちとシェアしたいと思い、主催者のダンスのティーチャーで、アルゼンチン出身の情熱的な素敵な女性に相談したところ、ワークショップの最終日にみんなで頂くことを快諾してくれた。

そして…最終日。大きなスイカを冷蔵庫から取り出してワークショップの会場の屋外のテニスコートへと運び込む。

大きなビニールシートの上にスイカを置いて、さて、どうやって切り分けようか、ホテルに頼んで大きなナイフでも借りて来ようかとウロウロしていると、

突如、ティーチャーが「いいアイデアがあるわ!」と言ってニヤリといたずらっ子のように笑ったかと思うと、スイカを胸の高さまで持ち上げて、パッと手を離す。

大きなスイカはブシュっと鈍い音を立てて、ビニールシートの上で赤い果肉が見事に割れ、花が咲いたように広がった。

次の瞬間「わぁーーっ」とまわりから歓声が上がって、みんなで、野生の動物のように手掴かみで赤い果肉に齧り付く!

「美味しい!」「Good!」「Juicy !」「Delicioso」「Herkullinen」といろんな国の言葉で声を上げながら、滴る果汁で、口の周りや指先まで赤く染めながら、天の恵みを楽しく一緒にいただいた。なんともエキサイティングで幸せな時間となった。

うん、夏といえば、やっぱりスイカ
二番目に好きな果物である。

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