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フリー編集者・元塚B

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塚Bの中央公論新社時代、そしてフリー編集者の元塚Bの記事です。
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#編集の仕事

編集者のハラスメント問題

こんにちは、フリー編集の元塚Bです。 12月は「職場のハラスメント撲滅月間」(厚労省)ということで、最近感じたハラスメントに関する話をしたいと思います。 若いライターのWさんからこんな相談をされました。 なんでも、X出版社の編集者Y氏が校了の間際になって、Wさんにとってかなり不利な条件を出してきた。 出版社の常識として、こんなことはありうるのだろうか……と。 私はX社の人間ではないので、もちろんX社や編集Y氏の事情はわかりません。 ですが、「あくまでも私の経験と推測ですが」

43歳、脱サラ編集者。はじめて出版以外の仕事をしてみた。

こんにちは、フリー編集の元塚Bです。 私は1年ほど前に16年間務めた出版社を退社し、現在はフリーランスの編集者として糊口をしのぎつつ、イラストの仕事をすべく奮闘(迷走)しています。 そんな私が、この度43歳にして、初めて出版業界以外のお仕事をする機会がありました。 (関係者に配慮して、一部脚色しています) 新規instagramのアイコンを作る! ひとつは、これまで縁もゆかりも、ぶっちゃけ全く興味もないDIY業界のお仕事。 私がとあるSNSに上げていたイラストを見て、 「

消えた退職金問題

こんにちは。フリー編集の元塚Bです。 16年勤めた出版社を退職してフリーランスとなり、あっという間に1年が経過しました。 今回は、そんな私が抱える金銭問題を赤裸々に書きたく思います。 何とかなるさ 会社を辞める時、次の仕事は決まっていませんでした。 フリーになっても、編集の仕事はなんとか続けられるだろう。 そうして食いつなぎながら、元々やりたかった絵の道に再チャレンジしよう。 そんな、漠然とした志(?)だけがありました。 収入が不安定になることは、もちろん覚悟のうえ。 し

バツイチで子持ちなのに、40代にもなって会社を辞めて絵ばかり描いています。

こんにちは、フリー編集の元塚Bです。 今回は私が編集ではなく、挿画を担当した本について書きたいと思います。 私が挿画を描かせていただいたのは、こちら。 有村俊秀/日引聡 著『入門 環境経済学 新版 脱炭素時代の課題と最適解』 元々、中公新書でロングセラーとなっていたのですが、この度新版としてリニューアル。 それに伴い、イラストも旧版から刷新し、この度私が描かせていただいたのでした。 イラストの一部をご紹介すると、こんな感じです。 実は会社を辞めてフリーランスになるとき、

多額の借金苦から夜逃げした父子が、小説家として成り上がる!

こんにちは、フリー編集者の元塚Bです。 以前このnoteでもご紹介した作家の矢月秀作氏。 その半生は、父親の事業失敗にともなう多額の借金、夜逃げ、ヤクザに追われる日々……と実に波乱万丈でした。 今回はそんな矢月氏に、作家を志すようになるまでの、若き日々を語ってもらいました。 元公安の父 作家・矢月秀作は1964年、兵庫に生まれます。 当時、矢月一家は警察の官舎で暮らしていました。 父は公安のデカとして危険な任務に就いており、幼い矢月氏は父が家にいた記憶はほとんどなかったと

42歳バツイチ編集者が読書マッチングサービスを使ってみた

こんにちは、フリー編集者の元塚Bです。 みなさんは、chapters(チャプターズ)書店をご存じでしょうか? これは、本、そして本好きな人とのマッチングを提供してくれるオンライン書店。 今回は、実際に私がひと月だけ使ってみた体験談をお伝えします。 本とのマッチング♡ 簡単なプロフィールを入力してchaptersに登録すると、まずは本を選びます。 タイトルや著者名が伏せられた「東西南北」という4つの選択肢があり、あらすじやオススメポイントからフィーリングで1つを選ぶのです。

オンライン読書会に参加してみた。

こんにちは、フリー編集者の元塚Bです。 厳しいニュースばかりが聞かれる出版業界。 そんな状況下、私たちにとってもっとも大切なお客様である「読者」の皆さんは、いったいどんな本を、どんな思いで楽しんでいるのでしょうか? 今回は、そんな読者の皆様と触れ合うべく、オンライン読書会に参加してみました。 zoomで集う、様々な面々私が参加したのは、ミゾノクチ読書会。 ネットで「読書会」と検索し、たまたま日時の都合がよかったので申し込みました。 参加は無料。 9月某日、日曜の昼すぎ。Zo

下町に生まれたシェア書店 西日暮里BOOK APARTMENT

こんにちは、塚Bです。 JR西日暮里(にしにっぽり)駅の改札を出ると、飲食店などと隣接したスペースに本棚があります。 これは、ひと棚ごとに違う「棚主」が本を出品しているブックアパート。 今回は、そんな「西日暮里BOOK APARTMENT」をご紹介したいと思います。 改札を抜けると、そこは本屋であった「西日暮里BOOK APARTMENT」は2019年12月、東京都荒川区にオープンしました。 31㎝四方の棚が80スペースあり、それぞれに別の「棚主」が本を出品する、シェア本屋

楽天ブックス、本屋大賞、そして『ダ・ヴィンチ・コード』。出版界の一大イベントに立ち会って

こんにちは、元塚Bです。 (塚Bは中央公論新社を退職し、フリー編集者の元塚Bとなりました) 今回は、ネット書店や本屋大賞の立ち上げなど、業界の歴史に残る様々な一大イベントに立ち会ってきた、古幡瑞穂(ふるはた・みずほ)さんにお話を伺いました。 日販から楽天へ出向 古幡さんは大学卒業後、日本出版販売(通称、日販・ニッパン)に入社。 日販とは、出版社と、全国の書店とを結ぶ出版取次の最大手です。 古幡さんは、紀伊國屋書店新宿南店の営業を担当することとなり、そこで出版業界の基本を覚え