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月刊 編プロのケーハク

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シュッパン前夜メンバー、編プロのケーハクの記事まとめ。出版界のあるある、新人ライター&編集者向けのスキル解説、出版界の問題や課題について。
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#企画

新人ライターや編集者に教えている「その企画の根本に熱量はあるか?」

今宵、本の深みへ。編プロのケーハクです。 先日、私の数少ない友人に、とある映画プロデューサーがいるのですが、彼と久々に飲みに行きました。 「最近の映画市場ってどうなの? 配信の影響とか受けてない?」と聞いたところ、それほど変化はないとのこと。 映画というのは、いつの時代も若者が友達に会うきっかけだったり、デートに誘うきっかけだったりするので、変わらず若者が劇場に足を運んでいるのだとか。 なるほど、劇場に行くのは、映画のコンテンツだけがきっかけではないわけですね。出版人

発信者目線で「面白いだろう」と捻り出した本は売れず、こんな本が「必要だよね?」とユーザー目線でふんわり生まれた本ほど売れる問題

今宵、本の深みへ。 編プロのケーハクです。 主に実用のジャンルですが、これまでたくさんの本を企画したり、つくったりしてきました。 出版社からのオーダーを受け、企画立案から制作までマルっと一式請け負うわけですが、最近は「とにかくヒットする本をよろしく!」的な恐るべき依頼が増えてきました……。 特にはじめて取引をする出版社の場合は期待が大いに膨らんでいるようで、「すでに成功する気満々」で依頼してくることがほとんど。 こちらも継続的な受注がかかっているため、失敗が許されない

出版社の「自社本を分析しない」問題

今宵、本の深みへ。 編プロのケーハクです。 今回は賛否があるかもしれないと、少しビビりながらも勇気を出して思ったことを書きます(笑)。 先日、前夜メンバーたちとこのようなテーマを話し合いました。 「売れる本と売れない本」の違いとは?まあ、経験則での話になるので、こうじゃないかという個人的な仮説を述べつつ、実際にうまくいかないことのほうが多いという事実に打ちひしがれ、どんどん声量を失っていくざんねんな展開に……(笑)。 結局のところ、企画に対する熱量を込め、あとは時の運