見出し画像

【個展関連企画レポート②】対話型鑑賞プログラム編「喫茶芸術領域構築」展 vol.15 浅見俊哉 @埼玉県上尾市

開催中の個展の関連企画として6/2日に対話型鑑賞プログラムを行いました。NPO法人芸術資源開発機構「ARDA」で学んだオーナーの森久さんがファシリテーターとなり、今回の企画のために特別に展示した『またたき』のオリジナルサイズを13:00-、14:00-、15:00-の3回集まった参加者と作品をみて、かんがえて、はなしました。

はじめに、じっくりと作品をみることを行い、その後、「何がみえますか?」「何を感じましたか?」等の質問を投げかけ、参加者の言葉を聞いていきます。

波紋、光の粒、飛沫、川、天気図のようなどという言葉に「おもしろいですね。作品のどのあたりからそのようにみえましたか?」と意見を肯定し、再度作品をみることを促します。ある程度の意見が出た後、「この作品の上には乗ることが出来ます。」と作品の上に乗ってみることを勧めます。


そして、作品の上に乗り、再度作品をじっくりみる。すると周りで作品を見ていた時とは異なる感じ方をするようになりました。「昔遊んでいた水たまりを思い出した」「飛沫が顔に見えてきた」「最初は上から下を見下ろしていたようにかんじていたけど水中から空を見ているように感じられた」「宇宙から地球をみているようにみえる」等、視点の変化により感じ方にも変化がありました。さらに作品の細部までみることが多くなりました。

森久さんは「自分が作品の上に乗ることで主体的に作品をみる変化が面白いですね。」「周りでみている時よりも、作品が自分のものになるような感覚が得られますね。」と鑑賞の変化を言語化して伝えていきました。

参加者のうちの1人は鑑賞の最後に「作品をみて、はなすことはこんなに楽しいんですね」と笑顔で語ってくれました。

さらに、3回の実践はみるひとたちで様々な意見が飛び出すこともおもしろい点です。

1回目では、外側から見ていた時は恐ろしいイメージを想起していたが、作品の上に乗ってみるととてもポジティブなイメージに変わった方がいました。

2回目では、参加者のひとりが窓の外の雨をみて、「あれ、あれあの波紋!」と作品と外の状況を同時にみることもありました。

また、音楽に精通している方が多かった3回目では、音の音叉や波紋の波そのものに着目し、作品をみていたことも印象的でした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

展覧会は16日まで。ぜひお気軽にご来場ください。


●関連リンク:

過去の「またたき」の対話型鑑賞プログラムのアーカイブ

・【Workshop2007】「観る人がいなければアートは存在しない!」@長野県東御市梅野記念絵画館

・【Exhibition 2006】作品『またたき』展示@「Mite!おかやま」岡山県立美術館

・【Exhibition2006】 『またたき』浅見俊哉作品展@川越市立美術館


以下展覧会詳細:

「喫茶芸術領域構築」展 vol.15 浅見俊哉

●会期:2024.5/20(月)-6/16(日)

●時間:9:00-18:00(不定休)

●作家在廊予定日:

5/20,5/22,5/25,5/28,5/30(14:30-17:00頃)

5/31(関連企画実施日:19:00-21:00)

6/2(関連企画実施日:13:00-16:00頃)

6/5,6/8,6/12,6/16(14:30-17:00頃)

●会場: SUTTENDO COFFEE 

●埼玉県上尾市中妻 1-16-8 (JR高崎線:北上尾駅から徒歩5分)

●問い合わせ:TEL.048-856-9116

⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター