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「コロナ後もガイドは必要か?」を考えてみた

今日は仕事をしながら、インバウンドサミット2021を聴いていました。

僕が今年最も注目したタイトル

昨年は「オンラインツアー」をテーマに登壇したのでバタバタであまり他のテーマを聞けなかったのですが、今年は仕事をしながらリラックスして聴くことができました。
とはいえ仕事をしながら耳で聴いていたので、またアーカイブ動画が出たらゆっくり視聴させて頂こうと思っています。

今回僕が一番興味を持ったタイトルが『コロナ後もガイドは必要か?』というものです。

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僕の会社はツアービジネスをメイン事業にしている会社でガイド育成も全国各地でやっている会社なので、僕の専門分野ですね。
先ほども言った通りこのパネルディスカッション自体はゆっくり聞けていないので内容は置いとくとして、このタイトルに対する回答を僕なりに書きたいと思います。

進化する観光業界

まずテクノロジーがどんどん進化する中で、今回登壇されていた成瀬さんがやられている「on the trip」のようなオンラインガイドサービスがどんどん増えています。

僕らはツアーとは別に観光案内所を運営していますが、多くの方はGoogleマップを使って旅行しているので、そこの分野でもテクノロジーがどんどん進化しています。
僕自身も旅行中はGoogleマップをフルで活用しています。

ネットに情報が溢れる時代のガイドの価値

そこでよく言われることは「テクノロジーが進化している時代に人のツアーガイドは必要なのか」という話です。
早速これに関する回答ですが、旅行者が知りたいと考えている適切なルートや歴史など単純な情報についてはオンラインガイドが便利なので、人である必要はありませんし、むしろテクノロジーを活用した方がいいと思います。
ただし、それは旅行者が疑問に思ったり調べたいと考えたことのみです。
確かにインターネットで検索すれば大抵のことは調べられますが、能動的に検索する能力も求められます。
そして、オーディオガイドなどは人間のガイドと同じようにいろいろ教えてくれるわけですが、僕らツアーガイドはゲストの興味や天気や季節などその日の状況合わせて話す内容を変えています。
そういう意味で言うと、今後のガイドには知識は当然ですが、エンターテイナーやストーリーテラーの能力がより求められてくることになります。
テクノロジーがそこに追いつく未来は来ると思いますが、まだ先になりそうですね。

人と人との交流を求める旅行者

もう一つ別の視点で僕らがここ数年ツアーガイドをやってきて面白い傾向としてあるのが、ゲストから事前に「この時間は他の参加者がどのくらいいますか?」という問い合わせを頂くことです。
日本人の場合、こういう質問をするときは人数が少ない方が良かったり、参加者自分たちだけだとガイドとゆっくり話せるということで喜んだりすると思うのですが、特に僕らのメインターゲットである欧米豪のゲストは違います。
彼らはツアーを街を知るということと同じくらい他の参加者との交流も求めているのです。
僕らのツアーは10人以下ということが多いのですが、参加者同士がツアー中に仲良くなりツアー後に皆でご飯に行くなどもよくありました。
逆に他にゲストがいないと他の日程に変更するゲストも少なくありませんでした。
僕自身もバックパックで海外を旅しているときの醍醐味は他の旅行者との交流だったので、気持ちがよくわかります。
ガイド含めて交流を目的にツアーに参加している人は少なくないため、その視点で見るとガイドは今後も必要だと思います。
ガイドや他のゲスト、現地のお店の人など人が大きなコンテンツになるんですね。

今後ツアーガイドに求められる能力

そういうふうに考えていくと、今後ツアーガイドに求められる能力は以前とは変わることがわかります。
今までのガイドは知識を中心に求められていたけど、今後活躍できるガイドはオンラインガイドなどテクノロジーを味方につけて、エンターテイメントを提供でき、なおかつ他のゲストや地域の人との繋がりをつくるハブのような存在になることが大切です。
いくらテクノロジーが発達しても地域の面白い人やお店の人とオフラインで繋がるのは難しいので、そこがツアーガイドの武器になってきます。
そういうわけで、今僕らは地域の人たちとの繋がりづくりに力を入れています。

古い業界ではよくテクノロジーを敵視したりする人たちがいますが、テクノロジーを活用し、人間だからこその価値を出していくことがどの業界にも求められます。
逆に言えばテクノロジーを理解しないと人間だからこその価値に気づくことも難しいかもしれません。
僕もサボってしまいがちですが、オンラインガイド含めて積極的に自分で触れてみて、自分の強みを認識して勝負してことが大事です。
今日はツアーガイドについて考える良い機会でした。

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