【犬の村】の話

遠い遠いあるところに。

動物たちだけが住む世界があるそうな。
今わかっているのは、8つの村があること。

色んな動物だちが独自の文化をつくり、
それぞれ、村をつくって生活をしていた。

犬の村
狼の村
羊の村
虎の村
鳥の村
鼠の村
豚の村
ニンゲンの村

各村は完全に独立しており
交わることはなかったのだが・・・

その村には、
たくさんの犬たちが 暮らしていた。

その村では、みんながそれぞれ、
自分たちが【好きな事】や【面白いと思う事】
または、【得意な事】をして生活している。

【誰かの為にならない事】とか【面白くない事】
をして生活を営んでいる犬はいない。

だから、みんな、この村のことが好きだった。

歌うのが好きな犬は、
広場で歌って、他の犬達を楽しませる。

オシャレが好きな犬は
服をデザインして、他の犬のファッションリーダーになる。

話を聞くのが好きな犬は
みんなの悩み相談、解決してあげる。

はたまた、
足の速い犬は荷物を届けるプロ。

喧嘩が強い犬は、
みんなを守る護衛の達人。

しかし平和な村に
災難がやってくることとなった。

13日後に、
「ニンゲン」と呼ばれる悪魔がやってくるかもしれないという噂が流れた。

ニンゲンとは、
その昔、犬たちを「ペット」という名のジャンルで扱っていたと
言い伝えられている。

首輪をつけられ、名前も勝手につけられる。
子犬や人気の犬は高値で取引させられていたとか。

でも、この村の犬たちは、ニンゲンを憎んではいない。
平和な村に「ニクシミ」という言葉は必要ないことをみんな知っていた。

ただ、ニンゲンにペットにされると
今の平和がなくなり、自由がなくなる。
そうすると、この村がなくなるかもしれない。

そう考えるとニンゲンは犬たちにとって「悪魔」なのだ。

怖がる犬も多かったが
この悪魔に、どうすれば対処できるか
頭の良い犬たちが会議を行った。

1日、1日と時は過ぎていった。
日が経つにつれて、ニンゲンへの恐怖は伝染病のように村に広がっていった。

そして、ニンゲンがやってくるだろう5日前に
ようやく案がまとまった。

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