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医療介護業界とテクノロジー:技術とうまく付き合う組織が生き残る

Dx(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉がバズワードとなっていますね。テクノロジーを使う目的は、生産性を上げるためです。デジタル化が目的ではありません。生産性を上げるという目的を押さえた上で、テクノロジーを導入するポイントを学んでいきましょう!


1. デジタル化の推進

医療・介護記録のデジタル化は業務効率化に必須です。電子カルテシステムなどで電子化することで、記録の閲覧(検索)や更新が容易になります。記録を探したり、職場じゃないと書けなかったり、読めない文字を解読したりという手間を減らせます。今後は人工知能(AI:Artificail Intelligence)を活用したテキスト解析により、記録から必要な情報を素早く抽出・分析できるようになると思われます。注意点はデータセキュリティです。最近のシステムはハックされないようにセキュリティが高まっていますが、スタッフがデータを抜き出すというアナログな対策は、職場ごとに行う必要があります。

2. リモートワークの導入

リモートワークの導入は、感染症リスクの減少と働き方改革に貢献します。もちろん一部の業務は実際の現場での作業が必要で、全ての業務をリモート化するわけにはいきません。また、チーム間のコミュニケーションや連携も重視しなければなりません。医療介護業界のサービス自体はリモート化できませんが、事務作業などのテキストを扱う業務は代替できます。特に居宅介護支援事業所などではリモート化が進み、”職場”が減っています。

3. AIの活用

AIの活用は診療・介護業務の効率化を図ります。特にchatGPTをはじめとした生成AIの進歩は、目を見張るものがあります。勤務表の作成、各種マニュアル作成、データの集計・グラフ化、産業情報の要約等、特に管理業務のおける効率が飛躍的に高まっています。高性能かつリーズナブルなサービスを、積極的に利用していくことが重要です。

4. テレヘルス(テレメディスン)の導入

テレヘルスとは、遠隔からの診療や健康管理です。オンライン診療と理解していただければ良いです。現状では、利用者側のデジタルリテラシーの課題もあり、目覚ましい進展は見られていません。しかし時間の問題です。LINEなどの親しんでいるツールを用いたテレヘルスのニーズは、今後ますます高まります。現段階から、スタッフに対するデジタル教育を行い、準備することが求められます。

5. 情報収集とデータ解析

経営の差は、情報の差」と言われるほど、情報は重要な価値を持っています。しかも重要な情報ほど、身の回りにあったり、公開データであったりします。知る人ぞ知る、なんて言う陰謀論的な情報は、実はほとんどありません。データがあれば、分析できます。分析できるようということは、改善できるということです。日常業務の中から生まれる情報をデータ化し、業務改善に繋げることが、まさしく継続的かつ科学的な改善です。ただし、業務をデータ化するには一手間かかります。この手間を最小化する、できれば業務と同時にデータが溜まるようにする工夫が必要です。

6. 新しい技術を導入する際の注意点

新しい技術を導入する際の注意点としては、ワークフローの見直し、コストと利益のバランス、スタッフの教育・研修、そしてセキュリティ対策が挙げられます。また、導入した後も、定期的なメンテナンスやアップデート、利用状況の評価が必要です。十分な計画と準備がなければ、デジタル化が目的となってしまい、生産性が下がることもあります。そのためワークフローの見直しは特に重要です。目的を明確にして、テクノロジーの効果を最大限に引き出しましょう。

おわりに

テクノロジーやデジタル化と聞くと、AIを思い付きます。しかしデータ化できるものは全てデジタルです。日頃の業務の中で、「これはデータで残せないか?同じ作業の繰り返しだからコンピュータでできないか?」といった視点で改善を重ねることが重要です。今日より明日、明日より明後日です。昨日と比べると小さな変化ですが、1年後には見違えるほどの職場になっています。

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