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絵の上手さ以外にも必要なこと

(↑萩原まおさんのツイートを拝借しています)

自分の作品を前に面と向かって言われたり、口だけで何も手を動かしていない人に言われたのであればちょっと良い気はしませんが… という前提で

自分の方が上手い」「これなら自分にもできる」こう感じることは悪いことではないと思ってます。むしろそう思うことで「ならばやってみようか」となるのであれば喜ばしいことではないでしょうか。

ぼくも「自分みたいなもんが…」とも思う反面、人の絵を見て「いや、これなら自分の方が…」と思うこともあります。(皆さんもあります…よね?)

「自分みたいなもんが…」と謙虚になりすぎるのも考えもので、時には自信をもって ドヤ! と作品を世に出すことがないと、そもそも誰にも見てもらえませんしね。そこで得られる評価・批評はいろいろあるでしょうが、全部ひっくるめてありがたいものです。

自分にもできるかも」と思って、参入の敷居が低くなることは、良いイラストレーターが今後たくさん生まれることにも繋がると思うので嬉しいですよね。ぼくもそう思ってなかったらこの世界に飛び込んでないですし。


絵が上手い人がイラストレーターになれるんじゃなくて、イラストレーターになろうとそこへ飛び込んだ人が上手くなっていく。

…良いこと言ってそうで、至極当然のことでした失礼いたしました。

やっぱり自分が描いた昔の絵は下手だと思う。よくこれで飛び込んだなと。でも今そうやって思えることは止めずに続けたからこそ成長できている証なのかな。とも。まだまだですけど。


さてさて。ちょっと話は変わりますが、そんなツイートをきっかけにふと考えたことを書き残しておきます。

おいおいそんな、自分の首を締めるようなことを言ってしまってどうする…

絵の上手い人は世の中に星の数ほどいる

ほんとに。上を見たらキリがなくてヘコミます。ただ、クライアントワークにおいては必ずしも 絵が上手い人 = 仕事がたくさん集まる人 というわけでもないですよね。上手くても食べていけない人もいます。

そう、絵をただ描くだけではなかなかお金にならないんですよね…

仕事がたくさん舞い込む、依頼が絶えないイラストレーターってどんな人でしょうか?上手い以外にどんな力が必要でしょうか。

上のツイートでは

イラストレーターの仕事は単に上手い絵を描くこと(だけ)ではなくて、クライアントの要望に応える最適な絵を限られた条件の中で最善を尽くして描くこと

と書きました。つまり例えば

・クライアントのビジョンや目的をしっかりと聞き取る
・どんなものを望んでいるかを把握し、分析、視覚化
・案件においてのイラストレーションの役割、立場を自覚している
・見せ方やバリエーションをいくつも提案を持っている
・表現について実績データに基づいた根拠のある説明ができる
・トレンドや世の中の情勢に合わせ柔軟に変化を受け入れられる体制
・デザインや印刷の知識があり、絵の使われ方までを想定できている
・予算、納期の中で無理・無駄のないスケジュール・進行管理
・制作過程の共有、こまめな状況報告、確認
・相手が気づかないところまで先回りしてフォロー
・想定外の事態にも対応できる体制づくり

などなど…。こんなふうにできたら完璧、という意味です。自分で言っていてなんなんですが、言うは易く行うは難し。。。でも、難しいからこそ誰にでもできることではなく、そこに価値があって、それが商売になっていくわけで。

絵の上手さももちろん大きな力のひとつには変わりありませんが、誤解を恐れず言えば、必要を満たしていれば上手すぎなくても良いですし、そこまで上手さを求められる仕事も多くないかも。

それよりも上に書いたようなことでクライアントに 安心感期待感満足感 を与えられることのほうが大切だったりしませんか。

この人にお願いしてみたい! この人にお願いしたらなんとかしてくれる! この人にお願いして良かった!と思って信頼してもらえること。って、これはイラストレーターに限らずどんな職業でも一緒ですね。

それを喜びにできるならばクライアントワークに向いていますし、そういう人ならきっと評判が評判を呼び、すぐに引く手あまたな人気イラストレーターになれることでしょう。あと、そうやってたくさん描く機会に恵まれる人は放っておいてもどんどん上手くなりそう

そうそう、そうですよね。上手さに限界なんてないんだから、これから皆もっと上手くなるんだから、今だけを見て人と比べるのはナンセンス。もっと先を見ていこう〜、もっと上手くなりたいなぁ。


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