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絵の仕事を得るための営業のはなし

最近、「絵の仕事が軌道に乗るまで、どのくらいの頻度で営業をしてきましたか?」というご質問をいただきました。答えは返したのですが、少しお話できそうな内容だったのでnoteにも書くことにします。

ここでいう営業というのは売り込みのことだと思います。出版社とか、デザイン事務所に連絡をし、作品ファイルを持ち込むなり送るなりして仕事をいただく、という方法。

この営業方法、はじめはかなり勇気がいりますよね…。メールだけでも緊張しますが電話となればなお一層。緊張感で心臓バクバク、脇汗ジワリです。ぼく、すごく苦手でして…

緊張しながらも行った数少ない営業先

ぼくはこの基本中の基本とも言える営業を、じつはほとんどしていきていません…ほんの数社。出版社に至っては、たった1社持ち込んで、それっきりです。だめですね…そんなことでは。

そんな数少ない売り込み先ですが、駆け出しの頃のぼくはイラストレーターエージェンシーに絞って行っていました。関西と東京にある数社です。

同じ1件売り込むのなら、常にイラストの仕事が多くあるところに飛び込んだ方が良いだろうと思ったことと、すぐに仕事につながらなくとも、あわよくば絵を扱うプロの方からアドバイスをいただけるかもしれないというチャンスを狙ってのことでした。

思惑通りぼくの出会った皆さんは丁寧に絵を見てくださり、絵についていろいろとお話を聞かせてくれました。もちろんすぐに仕事、にはなりません。また新しいの描いたら見せに来てくださいね、と。社交辞令だったかもしれませんが、ここから定期的に絵を見せに行くことになるのです。

この時に繰り返した売り込みで、まだまだどんな仕事に向いているのかがわからなかった自分が、これから進むべき方向性なども見えてきました。決して無駄にはなりません

広く浅くよりも狭く深く

売り込み先こそ少ないものの、同じ方に何度も絵を見てもらいました。頻度としては1年に1〜2回を、数社にです。時間はかかります、すぐに結果はでませんが、この過程を経て成長を感じてもらったり信頼関係を築くことができました。

逆の立場で考えても、アドバイスした人の絵が前よりも良くなってきたらやっぱり嬉しいと思いますよね(きっと)。なにかあったら頼みたいな、ってなると思うんです(多分)。

こんなふうに営業先は「広く浅く」よりも「狭く深く」にしてきました。数打てば当たることもあるかもしれませんが、相手側も同じく相当な数をまわりから受けているはずですから、深くないと届きにくいと思います。

「誰か仕事をくれませんか〜」ではなく、「あなたと一緒に仕事がしたいんです…!」と、何度もラブコール送ります。もちろん実る恋ばかりではないですけども。

すぐに結果を求めすぎないこと

そんな中で、いくつかの恋が実ってお仕事をいただけることになり、今に至ります。関係性ができてからのご依頼です、一度切りではありません、毎年、多いときは毎月のように、何度も、ずっとお仕事をいただきます。

普段いただくご質問ご相談の中で、なかなか営業の効果が出ないんです、仕事獲得につながらなくて…、もう辞めた方がいいんでしょうか…という悩みを聞くことがあります。

しかしよくよく聞いてみると半年や1年ですべてを判断しようとしていることが多かったり。焦ってしまう気持ちはわかりますが、成長するのにも信頼関係を築くのにも時間は必要です。もうすこし長い目で、じっくり深く取り組んで行くのがいいのかもしれませんね。

売り込んでから4、5年経ってはじめて仕事の依頼がきた!なんて話も、珍しくないですから、種まきの期間だと思って。あとは水やり(継続)もしっかりと。その間に絵を描き続ければ腕も上がりますし、きっと!

(以上、すべて自戒を込めて…)

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