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電気圧力鍋さ~ん (はあと)

(写真は、H社新型の電気自動車のヘッドライト部分。。。嘘です)

フランス式ハーブファスティングに欠かせないのが夜のスープなので、6リットル炊きの電気圧力鍋を買って、うまいスープを作って飲もうと思っておりましたが、思いがけない天然妻の思いつきで、ことごとく予定をつぶされ、結局ファスティング中はありつくことができませんでした。

がしかし、未練残念たっぷりのわたくしは、ファスティング明けに、リゾットを作ってやろうと思いまして、さっそくトライしてみたわけです。いや、さっそくではないですね。

わたくし、圧力鍋といえば、材料全部ぶち込んで、フタして5分も待てば、お望みの料理が出来上がると思い込んでおります。テレビの通販でも見たことありますから間違いありません。便利な世の中になったものです。

ワクワクしながら、ふたをしてスイッチオン!

『予熱 ふたを開けてください』の表示。

何度やり直しても許してくれません。

わたしは、カーナビに逆らいまくってるうち、道なき道を走らされ、とんでもない所まで連れていかれた経験があります。ですから、こういう場合の対処法は重々承知しているんです。忍と従順しかありません。これは、結婚で培ったわたくしの知恵であります。予熱など、頭のいい電気圧力鍋にかかれば、ひょひょいのひょいです。

フタを開けました。心なしか、予熱のメモリの進み具合が遅い気がします。でも、気のせいでしょう。だってこれは、電気圧力鍋ですからっ。

湯気がバンバン出ます。フタ開いてますし、1500ワットですから。でも、閉めると『予熱 ふたを開けてください』と怒り出します。水がなくなりそうなので、水を加えました。予熱時間は、あと2メモリですから、少し入れれば足りるでしょう。

すでに予熱時間に入ってから20分はたっています。いつOKになるかわからないので離れられません。実はわたくし、料理は全然ダメ というわけではございません。これって普通にリゾット作ってんじゃね? くらい分かります。おいおい、また水が足りなくなっています。

話が違うじゃねえか とだんだんイラついてきました。短気なうちの伯父なら、きっと今頃は庭にぶん投げています。

こんなことなら、最初からガスで作ればよかったと思い始めました。てか、リゾットなんて、カッコつけなけりゃよかったんです。お粥で十分だったなんて思っても後の祭りです。

わたくしの怒りに負けじと、鍋もヒートアップしております。仕方なく、また水を足しました。もう何分たったのかも分かりません。レシピ集を見ると時短とか準備時間10分、調理5分とか書いてあります。

「はあ?」

「意味わかんねえ。何がお手軽トマトリゾットだ?」

ただし、トマトとか入れてません。チーズも皆無。野菜と鶏肉とコメと書いてある調味料で、赤ワインの代わりに日本酒です。むちゃくちゃです。でも、そんなの関係ねえ。早くフタをさせろ。さらに待つこと数十分。

ピーーー。

『フタを閉めてください』の表示。

「キター!」

思わずわたくしは、叫びました。で、フタを閉めますと、

『汁が足りません』みたいな表示。

「はいはい、そうですか。そうでしょうね」

ここまで来れば、この時点で3歳児レベルの精神年齢に達していたわたくしでも、耐えられます。水を足して、フタをして、待つこと5分。

はい、出来上がり! 簡単ですね。ええ、ええ。

わたくしは、道を自分で見つけてきました。迷っても、人に訊くことを好みません。これは、わたくしの母方の血統のようで、いとこたちも同様です。たいてい車で旅行に出ると、奥様や子どもたちにあきれられます。一番年上のいとこは、最近スマホに変更したらしく、電話に出なくなりました。いえ、出られなくなりました。

反対に、わたくしの嫁は、すぐに答えを訊きたがります。クイズを出すと、5秒後には答えを訊いてきます。いろんな人間がいて、世の中はうまく回っているなだなあとつくづく思います。

言うことを聞いてくれない電気圧力釜に誰かの面影を重ねながら、リゾットを食べました。確かにお粥とは違うおいしさです。

家族のだれも食べてくれないので、4匹の猫たちにおすそ分け。ミャーミャーとうまそうに食べてくれました。

今度作るときは、マニュアルを読んでみようと思います。このままでは、電気圧力鍋さんが嫌いになりそうです。相手の気持ちをおもんばかって寄り添うことが長く夫婦を続けるためのコツですから。

ちなみに嫁は力技でフタを閉めて調理すると言ってました。

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