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Nのことやら。

いま思えば、『ボーダー』を初めて読んだのは、Nの阿佐ヶ谷の下宿だったかもしれません。

1回泊まったことがありますが、畳の見えない部屋では、眼鏡が3か月出てこなくて苦労しました。

その後、アラスカ帰りの彼を字幕翻訳の会社に誘って、私はインドへと向かったのでした。

帰ってから、字幕の仕事をさせてくれたのはNだったし、英語ができなくても吹き替えなら楽ですよと紹介してくれたのも彼でした。当時は字幕先行で吹き替え翻訳はあとでした。それにしても相当フォローが大変だったことと思います。

そういえば、妻はNがお気に入りで、「あなたが死んだらNさんと結婚してもいい?」と訊かれたことがあります。

何と答えたか忘れましたが、私を食べる発言同様に、妻は冗談を言いません。

なぜか私は妻を初めて見た時から、殴られて泣いている顔がよぎっていました。今生、殴られないまま悪因縁が切れればよいのですが、私が呆けて暴力をふるうパターンでないことを願います。

話がそれてしまいました。いま思えば、もっとNには恩返ししとくんだったと悔やまれます。たくさん助けてもらっていました。おかげで還暦まで生きられました。

彼がフリーになった時に、電話をくれました。森川正太さんを紹介してくれたのもNで、森川さんが亡くなったことをfbのチャットで話したのが最後の交信となりました。

しっかりものの弟さんがNの遺骨を故郷に連れて帰り、家族葬で見送られました。 合掌。

もうひとりの心のきれいな破滅型の先輩は術後の経過もよく、今朝無事に退院なさいました。ひとまずホッとしています。

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