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ジャズを楽しく聴くための基礎知識 vol.3

初心者でもわかる≪ジャズの聴き方・楽しみ方≫を紹介しているこちらもvol.3となりました!

今回は具体的にオススメのジャズを紹介していこうと思います。

ジャズといっても色々ある

ひとまとめにジャズといっても実は色々なジャズがあります。
ニューオリンズ、ビバップ、ビッグバンド…
どれもジャズですが、時代によって別のジャンルと言っても良いくらい雰囲気が違います。

日本でいわゆる『ジャズ』というと、“モダンジャズ”を指すことが多いです。
モダンジャズは第二次世界大戦頃の時代に、ビッグバンドジャズの様なアレンジ重視の音楽ではなく、もっと自由に演奏したい!という即興主体で演奏するために発展しました。
即興性と合わせやすさを重視しているので、3〜8人くらいの少人数編成(コンボ編成ともいう)で演奏されます。
ビバップやクールジャズ、モードなどのコンボ編成のジャズを総じてモダンジャズという感じですね。

そこからさらに進化してエレクトリックな要素を入れたり、ゴスペルやヒップホップの要素が入ってきたりして、ジャズもどんどん進化しています。

とりあえず聴いてみるならコレ!

ブログやnoteでもいろんな方がジャズのオススメCDなんかを紹介していると思います。
それを参考にしながら色々聴いてみて、自分の好きな時代や好みのジャズを探すのがいいと思いますが、
『よくわかんないけど、とりあえずジャズ聴いてみたい!』
という方には

『Emmet Cohen』のYouTubeチャンネル

を見ていただくのがオススメです!
ジャズスタンダートと呼ばれるセッションでよく演奏される定番曲を中心にライブ動画を配信してくれているので、ジャズをとりあえず聴いてみたいという方にも、人の演奏を見て勉強したいという方にもとても良いと思います。

マイルスとエヴァンスは注意が必要!

色々なところでオススメジャズのCDやミュージシャンの紹介はされていて、特にトランペット奏者のMiles DavisとピアニストのBill Evansの紹介はよく目にします。

しかし、この両名の作品は少し注意が必要です。

そもそも彼らは演奏自体も型破りというか、
マイルスに関してはライブのソロの途中でどこかにいなくなったりするし、
エヴァンスの作品では、テーマが終わった後に完全にベース一人だけの演奏になったり、テーマとアドリブで尺が変わったりします。
内容も年代によって全然違うため、これからジャズを聴きたい!という方は、この後ご紹介する内容も踏まえてオススメジャズの記事など色々読んで頂くと、好みのジャズが見つけやすいかもしれません。

エヴァンスのオールバック期とヒゲモジャ期

エヴァンスは特に年代で演奏スタイルが別人の様に変わります。
単純に前期、後期と分けられる事が多いですが、見た目もだいぶ変化していて、前期の時はオールバックでタバコを吸いながらピアノを弾いてる写真が有名です。
後期のCDジャケットは、ヒゲがだいぶ生えて髪型もオールバックではなく伸ばしたまんまの感じになっています。

ビルエヴァンスといえばオールバック期に出した「PORTRATE IN JAZZ」やジムホールとのデュオの「Undercurrent」が有名です。
この頃の演奏はジャズの中でもかなり特殊で、ジャズのリズムを重視したフレーズというより独創的で綺麗な旋律が人気です。
人気ですが特殊枠なので、ジャズの入門としてオススメとは言い難いです。
ジャズにハマった後でこれを聴くと『なんだこの人は!』と衝撃を受けます笑
また、1つのCDの中に同じ曲の別テイクが複数入っていたりして、『なんで同じ曲が何曲も、同じCDに入ってるんだろう?』と疑問に思う人もいます。

ヒゲモジャ期になると演奏スタイルがだいぶ変わり、かなりスタンダードなジャズになります。なのでめちゃめちゃ聴きやすいです。
『昔の独創性や美しさが失われた』という人もいますが、ビルエヴァンスらしさとジャズらしいリズムがいい感じで混ざっていて、私はこの時代が結構好きです。
「The day of the wine and roses」とかよく聴きます。

マイルスの第一、第二黄金期とエレクトリック期

より複雑なのがマイルスです。
マイルスは色々なミュージシャンと色々な作品を残しています。
例えばピアニストのホレスシルヴァーやセロニアスモンク、先ほど紹介したビルエヴァンスとも共演しています。
若手を発掘して育てる事でも有名です。
その中でも代表的な作品を残したクインテット(5人編成のバンド)を
《第一黄金期》《第二黄金期》と分けることがよくあります。
さらにその後《エレクトリックマイルス期》があります。
※もっと言うとモードジャズの話もしなければいけないと思いますが、長くなりすぎるのでまた別の機会に。

マイルスの中でもオススメに出てくる事が多いのが上記の3つの時代ですが、方向性は全然違います。

それぞれ簡単にまとめると、

第一黄金期(50年代後半)
ハードバップ主体のいわゆるジャズらしいフレーズが多く使われている

第二黄金期(60年代)
新主流派(ニューメインストリーム)と言われ、シンプルにかっこいいフレーズが多い
(クールジャズとも言う)

エレクトリック期(70年代以降)
その名の通りエレクトリック楽器を使ったジャズで、さらにファンク、R&Bなどのビートを取り入れた実験的なジャズ

といった感じです。

どれがオススメかはかなり意見が分かれるところですが、個人的には第二黄金期「Seven steps to heaven」が好きです。

ファンク、R&Bが好きという方はエレクトリックマイルスから聴いてみてもいいと思いますが、いわゆるジャズを聴きたいという方は、第一黄金期第二黄金期の初めの方の作品を聴くとハマるかもしれません。

まとめ

Apple musicでもSpotifyでも、(CD以外で聴くことが出来る)ジャズの音源はかなりたくさんあります。
とりあえず気になったものから聴いてみて好みのジャズを探しつつ、前回vol.2の記事で書いた誰にフォーカスしているのかにも注目しながらトーク番組を見る様に聴いてみてください!
(ジャズの流れや基礎知識はこちら→vol.1

さらに、ジャズの演奏にも興味が湧いた方、アドリブソロってどういう風に弾いているんだろう?と疑問に思った方は是非こちらの本も読んでみてください!
電子書籍【ゼロから学ぶJAZZ アドリブソロ編】

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▼記事の中で紹介した曲▼


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