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朝日とともにタートルアンへ (2)

タートルアンの前の長大な列の中に場所を確保してから約40分。空にオレンジ色の光が差し始めた6時半、ちょうど足が痺れ、周りの皆さんがひたすら自撮りをしているのを見るのももう良いかなと思っていたころ、とうとうそのイベントは始まった。

恐らく、ラオス国内で最大規模の托鉢行事の開始はまず読経からスタートする。日本の仏教系の学校に行かれたことがある方なら一部聞き取れるかもしれないが、何を言っているのだろうか・・・


・・・と考える暇もなく終わった。その間、約10分ほどである。読経の間は手を合わる箇所や、一緒に唱える箇所等あるのだが、比較的各々自由に参加していた。正直、町内放送がスピーカーから流れてきているな、といったような感覚である。そして、今までの待ち時間は何だったのだろうか、というぐらいあっさりと終わる。
だが、良いのだろうか。国内最大級の仏教イベントである。もう少しありがたいお経とか、お話とか・・・。

と思っていると、周りの方々はすでに自分たちのゴザを片付け始め、前にズラーーっと並んでいる何千(何万かもしれない)というお坊さんの列に向かい始めた。


やはり、もう終わりなのですね。まあ、托鉢行事なのだから、お祈りはさっとすませて托鉢を行いましょう、ということなのだと無理やり自分を納得させて、我々も托鉢の列に加わった。

各々銀色や金色のツボにぎっしりと入れたお供え物(お金、お菓子、もち米など)を順番に少しずつお坊さんが持つ容器に入れていく。お坊さんたちはある程度自分の容器の中身が溜まると、別途持ってきている大きな袋(だいたい、ゴミ袋サイズ)に容器の中身をザーッと空けていく(ここに情緒を求めてはいけないのだろう)。後の仕分けが大変そうだな、と思いながら(大きなお世話ですね)我々も少しだけ用意していたお菓子を持って托鉢に参加した。

ちなみに、お坊さんの列は終わりが見えないぐらい長蛇の列である。恐らく、朝に通ってきた大広場(駐車場)にも何重にも列が作られている。もちろん、お坊さん全員に何かをお渡しすることは不可能に近いので、皆さん自分の目の前にいるお坊さんから開始して、一人ずつ回りつつ、できるだけ多くのお坊さんにお渡しした上で、終えているようだ。ちなみに、お金やお米、お菓子をお渡しするときは額に二度持っていくようなジェスチャーをしてから、入れている人が多い。

私たちはそこまで多くのものを持って行っていなかったため、数十名程度のお坊さんにお菓子やお金をお渡しした後、簡単にお寺でお参りをして帰路に就いた。

なお、その足で近所のローカルレストランへ向かい、麵を食べながら飲んだ朝8時のビールが背徳感の塊であったことは言うまでもない。

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