いざ、4000の島(シーパンドン)へ(2) コーン島(@ラオス)
世界最大幅の滝、コーンパペンの滝にひとしきり圧倒された後、一泊目の宿泊を予定するコーン島へ向かった。
コーン島(Don Khon)はメコン川の中州に位置する島で、4000の島を意味するシーパンドンという地名の由来となっている島群の一つである(なお、メコン川を数キロ上ったところにKhong島という大き目の島もあってややこしいのだが、そちらではない)。
中州ということで、船に乗って移動する必要がある。船着き場までレンタカーで行き、6人程度がぎりぎり乗れる程度の小型の船(船外機付き)にスーツケースも一緒に乗せて、約40分。宿泊先のホテル名を船頭さんに伝えると、その近くの船着き場で下ろしてくれる。
島に到着すると、そこはもう本土とは一味違う風景が広がっている。こじんまりとした島の土地に、こじんまりとしたレストランや宿が並んでいる”メインストリート”が一本あり、その並びには学校やお寺等も垣間見える。数多くの子どもたちが道端で遊んでおり、小さい島とは思えないほどの活気だ。
そして、こんな場所にでも欧米から来たと思われる観光客は数多くおり、もはやレストランに座っているのは90%以上こういった観光客だ。ラオス政府によるコロナ下での規制もようやく昨年後半に撤廃され、観光客の数も戻ってきているのだろう。逆にアジア系の観光客をほとんど見られない。
我々が宿泊した宿は川沿いに位置しており、川を見ながらのんびりと寝っ転がれるリクライニングチェアが多数置いてあるのが最高である。結局ここで2時間近く、何もせずにぼーっと景色を見ながらたまにそよぐ風を楽しんでいた。
宿泊部屋はちょっとした小屋のようなところで、設備的に若干不安になるようなところもあるが、一応お湯も少しは出るし、中州の島でこれだけのものがそろっていれば十分ありがたい。
この島の一部でも滝が見えるということで、一日目の夕方には宿から歩いて20分程度の滝へ。歩いていると子どもたちが少し恥ずかしそうにしながらも、ハイタッチしてくれたり、挨拶してくれたり。島民のあたたかさに触れられる散歩となった。
翌日はもう少し遠出をすべく(遠出と言っても、ごく小さい島なので、簡単に回れてしまうのですが)自転車を借りて、島の中を走ってみた。畑やお寺、そして島民の家等があるだけで、非常にシンプルな景色なのだが、その中を自転車で走るのは非常に気持ちが良い。
そして、コーン島の中で数少ない「見るべきもの」の中に、フランス植民地時代に使われていた鉄道列車がある。
メコン川のコーンパペンの滝が世界一幅広いということは書いたが、それゆえに滝に阻まれて船が川を上ることができない。これは物流の観点からは非常に困ったことであり、それを何とか克服すべく導入されたのがこちらの鉄道・車両ということらしい。
つまり、川下にあるコーン島の南端に船を着けて、そこから荷を鉄道に乗せ、コーン島および北にあるデット島を橋でつなぎ、デット島から再び荷を船に乗せて、川を再度上っていくというルートである。もちろん、この鉄道はラオスで敷設された初めての鉄道である。
このような歴史も感じつつ、2日目の昼前にコーン島を後にした。きらびやかなものは何もないが、人々の生活や活気を感じられると同時に、自然の中でひたすらぼーっとできる非常に良い旅先となった。
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