見出し画像

蚊帳のすすめ(@コートジボワール)

コートジボワールでは日々の移動のためにドライバーさんを雇っていた。
タクシーで移動できないこともないのだが、やはり毎日の通勤にずっとタクシーを使うのは気疲れする。また、自分で運転したいと思ったりもするのだが、数センチギリギリを攻めるテレビゲーム(難易度最高)のような運転の中で、どう考えても生き残れる気がしない。

ということで、平日および土曜日の午前中にはドライバーさんに私の車を運転してもらっていた。(一応、自分で購入した車なのだが、自分で一度も運転せずに終わったため、「初めてのマイカー」みたいな感慨が全くないのは寂しいものである)

そんなドライバーさんだが、気軽に現地情報を聞ける現地の人、という意味でもとても貴重なリソースパーソンとなる。何かを買いたい時には彼に言えば売ってそうなところに連れて行ってくれるし、現地の教育のシステムとか、そういったローカル情報も教えてもらえる。

ということで、コートジボワールに赴任して1か月頃経ったころ、ひょんな縁で出会ったドライバーAさんに運転をお願いすることになった。まだフランス語もつたない私であったが、何とか条件について交渉し、勤務を開始してもらう。

スーパー等の買い物時にもついてきてくれ、いろいろと(有用であったりそうでなかったりする)アドバイスをくれる。「(スーパーで売ってる)そのフルーツは路上の屋台で買った方が安くて美味しい」とか・・・(私の心の声:面倒だからここで買わせてくれ)

ある日、そんな彼に蚊帳を買いたいと伝えた。
何しろ、熱帯地域の国であり、マラリアとデング熱が蔓延してしまっている国である。現地の人たちは熱が出て体調が悪くなると、ほとんどの場合医者からマラリアと診断される(その正確性については甚だ疑問であるが)。

自分の身は自分で守るということで、蚊帳は非常に有効である。いくら赤道に近いと言っても、コートジボワールの夜は27、28度ぐらいまで下がるため、私は窓を開けて寝たい派だった(これについては、冷房つけないと無理、という方もいたため、人によると思われる)。蚊帳の中にさえ入ってしまえば、あとは窓を開けっぱなしにしていても襲われる心配がない。特に、あの耳にプーンと飛来してくる蚊は絶対に許せないので、物理的防御が最も効果的である。

蚊帳は薬局に売っていると聞いていたので、近くの薬局に行こうと思ってドライバーAさんに伝えると、「俺がもらった蚊帳が家に余っているから、あげるよ」と言われる。
「ん?なんで余ってるんだ?」とよくよく聴いてみると、どうやら某国際協力機関がマラリア対策のために蚊帳を配布していたものが、家に余っているらしい。

ということで、(若干良心が痛むような気がしたものの)余っているものは使わないともったいないということで、ありがたく蚊帳を一つ分けてもらった。

自分で付けるのも大変(しかも工具を持っていない)ということで、家に掃除に入ってもらっているお手伝いさんにつけておいて、とお願いするとその日中に業者につけてくれる(業者代数百円程度)。

やはり生活環境の整備については、現地の事情や業者をよく知っている人にお願いするのが一番早いな、と感謝しつつ、窓を全開にして安眠に着く。

その後3年間、寝てる間の蚊の被害はゼロ。やっぱり、蚊帳はおすすめです。もはや、日本の夏も蚊帳に守られながら安眠したいものである・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?