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被殻出血の予後を予測しよう

歩行自立/非自立の判別は内包後脚中部の損傷度と出血量を用いる

内包後脚中部には上下肢の運動性下行性線維である皮質脊髄路が走行しているからである。


出血量について

出血量は

{血腫が最大に描出されているスライスでの血腫の長径(cm)×長径に直交する血腫の径(cm)×血腫が確認できるスライス数×スライス厚(cm)/2}で求められる

平行棒外歩行が可能であった割合は出血量20㎖未満であれば70%以上、

30㎖以上では30%未満である。


歩行不可であった割合は10㎖以上から10%程度見られ、40㎖以上では60%以上であったと報告されている。


歩行自立/非自立の境界目安は出血量27.4㎖と言われている。



歩行介助/不可の判別は内包後脚前部の損傷度を用いる。

内包後脚前部は皮質網様体路が走行している。

皮質網様体経路は自動的な予測的姿勢調整により姿勢のコントロールを行うが、損傷すると四肢近位筋の弱化を引き起こすとされている。

これらの機能破綻により姿勢制御不良を起こし、歩行が困難となりやすい。

参考文献 被殻出血患者における各脳領域の損傷度による歩行自立度の予後予測 澤島佑規 他 理学療法学第45巻第4号 2018

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