「高い服」と「安い服」の違いを考えてみた。
「スタイリスト大山 旬という人は ”安い服” をおすすめする人なのね」
僕のツイッターやユーチューブでの発信を見て頂いている方だと、このように感じている方が多いと思います。
実はこれ、誤解です。
全然そんなことありません。
ただ、僕が表立って発言する時には、おのずと「安い服」について語ることが多くなるのは事実です。
僕の発言の真意とは?
本来、ファッションって「高い服の良さ」について語られることが多かったんですよね。ファッション雑誌を想像すると分かりやすいかと思います。
そこに並んでいるのは高い服ばかり。着ているのはモデルさん。あれを再現できる人はほんの一握りしかいません。
■従来のファッションのイメージをどうにか崩したい。
■もっと一般の方にもファッションを楽しんでもらいたい。
そういう思いで、独自のファッション理論を掲げているのが「スタイリスト大山 旬」という人間です。
だから僕の発信は自ずとファッション業界の常識の逆を「あえて」言うことが多いんですね。
■ユニクロで十分でしょ
■高い服を買ってもあんまり意味がない
■服はどんどん捨てるべき
このような主張を「あえて」しているわけですね。
僕が公で発信するときには、このキャラクターを演じています。
ただそれは僕の「一部」なんですよね
というのも、
僕の活動は大きく分けると以下の2つになります。
①ファッション本の執筆・情報発信
②個人向けスタイリング
仕事の割合もきれいに5:5と言ったところでしょうか。
で、それぞれで僕の主張だったり、考え方がまるで違ってきます。
ファッション本の執筆では、先程お伝えしたように、「安い服で十分だよね」ということを語ることが多いです。
一方、個人向けのスタイリングでは、1着10万円以上のジャケットを提案することも少なくありません。1回のショッピング同行で100万円を超えることも珍しくありません。
おそらく僕は日本で一番服を売っているスタイリストだと思います。そう断言してもいいくらい、この時期は「高い服」をお客様にご提案することが多いです。
なぜなら僕のお客様のほとんどは「経営者」や「医師」「弁護士」「コンサルタント」など、バリバリお仕事でご活躍されている方々だからです。
立場上、「高い服」が必要となる人も間違いなくいます。ファンタジーのような雑誌の世界観が正解となるような人たちも実はいるわけです。
だから僕は「安い服」のメリットも十分に感じているし、
「高い服」の良さも身をもって体験しています。
そして僕自身、安い服も高い服も、どちらも買います。
その時々によって、どのような価格帯の服を買うのかを振り分けています。
そんな僕が考える「高い服」と「安い服」の違いについて、
今回は端的にお伝えできればと思っています。
安い服のメリット
まずはお得意の「安い服のメリット」について語ります。
①そんなに予算がなくてもファッションを変えられる
②高い服との「デザインの差」はそこまで分からない
③高くない分、定期的に服を入れ替えられる
この3つなんじゃないかなと思います。
1つずつ解説してみますね。
①そんなに予算がなくてもファッションが変えられる
まずは①「ファッションを変える」となると、それなりにお金が掛かります。場合によっては全部の服を入れ替える必要があるかもしれません。
そんな時、1点ずつの単価を上げてしまうと、途中で確実に心が折れてしまいます。いくらお金があっても足りません。
僕が経営者の方のショッピング同行をする際、高い服でゼロから服を買い揃えるとなると、平気で50万円を越えます。1回のお買い物で。それはなかなか現実味が沸かないかと思います。
だからまずはユニクロやGU、グローバルワーク、チャオパニックティピーなどの割と手頃な価格帯で服を買い揃える。そうすれば割と手軽にファッションのやり直しができるんですよね。
この価格面での気軽さは最大のメリットなんじゃないかなと思います。
②高い服との「デザインの差」はそこまで分からない
で、2つ目。これは大きいです。昔は高い服と安い服の違いは明確でした。高いものは格好良かった。だからみんな頑張って「いい服」を買ったわけです。でも今は違う。安い服でもデザインの良い服は増えました。
なぜなら、デザインって簡単にコピーが出来ちゃうから。高い服のデザインを真似て、安い服を作る。これはファッション業界の常套手段です。その結果、どこのお店に行っても似たような服で溢れています。
「売れる服」が数字で分かるし、簡単にコピーができるからこそ、価格によるデザインの差がかつてに比べると確実に埋まっています。これは良くも悪くも、です。
だから「安い服でもおしゃれに見せる」割と簡単にできちゃうよ、っていうのは大きなメリットだと思います。
③高くない分、定期的に服を入れ替えられる
最後に3点目。これも意外と大切で、高くない服というのは、言葉は悪いけど「着倒して買い換える」ことに、そこまで抵抗がありません。
これがちょっと奮発して買った服だと「まだ着れるからもったいない」とか「思い入れがあるからまだ着たい」とか、そんな感じになってしまうんですね。なかなか手放せないんです。
服は長く着れば着るほど、トレンドから大きく外れますし、服から漂うくたびれた雰囲気からは「清潔感」がまったく感じられません。
10年前の高い服よりも、今年のユニクロの服の方が断然おしゃれに見えるんですよね。今っぽさも出ているし、何より新しい服には清潔感が漂いますから。
そういった意味で安い服を買って、定期的に入れ替えるという考え方は、とても現代的なのかなとは感じています。
高い服にはメリットってあるのだろうか
このように書いちゃうと、安い服のメリットって結構強力なんだな〜と改めて感じてしまうんですよね。今の時代には確かにフィットしています。
それでも高い服にもしっかりとメリットがあります。いくつか挙げてみたいと思います。
①服の質感、雰囲気が上品
②見る人が見たら分かる
③自信を持って着ることができる
この3つに集約できるのかなと思います。1つずつ見ていきましょう。
①服の質感、雰囲気が上品
安い服でも高い服のデザインはある程度真似できる。でも絶対に真似できないものがあって、それは「服の質感」なんですよね。素材の良し悪しっていうのはやっぱり誤魔化しようがありません。
服の価格帯が上がれば、手触りも変わるし、見た目の上品さは確かに変わります。これは目が肥えてくるとすぐに分かるようになります。単純に着ていて気持ちがいいし、心が満たされる感覚になります。
②見る人が見たら分かる
とは言っても、素材の上質さなんて、ほとんどの人は気づかないんですよね。きっと8〜9割の人は気づきません。だからそういう点ではコスパは悪いです。ただ、このような質感の差に気づく人が1〜2割は確実にいるっていうのも事実です。
特に経営者の方やビジネスでバリバリ活躍されている方は、「上質な服」を実際に着ている人も多いので、割と目が肥えています。素材の質に気づいちゃう人が多いんですよね。
経営者の方や社会的な地位の高い人に会う機会が多い場合、デザインはごまかせても、服の雰囲気はごまかせないことを覚えておくと良いかもしれません。
だから自分でお仕事をされている方は、ある程度の「服の質」が大切になります。それが信頼感や説得力につながるからです。これは見栄ではなくて、個人の美意識の問題です。ちゃんと良いものを体感していることで、言葉に深みが出たり、お互いの価値観を交換することができるんですよね。
「服の質」が求められる世界があるということも、
頭の片隅に置いておくのも良いかもしれませんね。
③自信を持って着ることができる
そして最後。
これが一番のメリットなんじゃないかなと思うんです。
安い服でも他人の目をごまかすことはできます。おしゃれに見せることはできる。僕の「ユニクロ9割で超速おしゃれ」を読んだり、MBさんの本を読めば十分にマスターできるわけです。
でも、一人だけ絶対にごまかせない人がいます。
それが「自分」なんですよね。
他人の目はごかませても、自分は「全身ユニクロ」だということが分かりますよね。それでも自信が持てるのであれば全然OKですが。
でも人って、安い服を着ているとどこか不安に思えてしまうものです。全身ユニクロのスーツで大切なパーティーに出れますかと聞かれたら、ちょっと自信は持てないという人も多いはずです。ユニクロが悪いわけじゃなくて、気持ちの問題です。
一方で、ちょっと奮発して買った服だと、自信を持って堂々と着ることができるはずです。別にブランドロゴが付いているわけでもないし、値札が付いているわけでもないのに。
他人が見たらその服が高いかどうかなんて分からない。それでも自分は自信満々で着れるわけです。これってものすごーく大切です。
「気持ちが乗っている服」って、やっぱり似合ってくるんです。なぜなら堂々としていられるから。一番良くないのは自信がない状態で服を着ることです。
背筋が丸まり、堂々と振る舞えない。そうすると服はまったく似合わなくなります。一方でちょっと高い服を着れば、自ずと背筋は伸びるし、佇まいも変わります。
「着る服で人は変わる」んですよね。これは間違いのない事実です。これだけのために、僕は服に投資をする価値は十分にあると思っています。
メリット・デメリットを相対的に考える
このように安い服にも高い服にも、それぞれにメリットがあります。どっちが良いなんていう話じゃないんです。ケースバイケース。人によります。
ただ、僕の意見としては、いきなり飛び級をするんじゃなくて、少しずつファッションの階段を登っていくのが一番なのかなと思っています。
ファッションを根本から変えていきたい。そんな時にはまずはあまりお金を掛けずに全体を変えてみる。そうすれば周囲から褒められる機会も増えて、ファッションへのモチベーションはどんどん高まります。
そうなったら次からは少しずつ「高い服」も取り入れてみる。全部じゃなくていいから、全身に1点ずつでもまったく問題ありません。
着こなしに1つでも「高い服」が加わると、着こなしに自信が持てます。そして高い服に引きづられて、安い服が高く見えるなんてこともあります。
だから少しずつ高い服もピンポイントで取り入れていく、というのが良いステップなのかなと思っています。
まずは「高い服」と「安い服」の違いをしっかりと理解して、ぜひファッションの階段を丁寧に歩み始めていただけたらなと思っています。
かなり長文になりましたが、
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
みなさんにとって今日が素敵な1日でありますように!
スタイリストの大山 旬でした。
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