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『Red Eye』から ── かつて愛飲したウィスキーのミルク割り

個人的には好きなのだけど、あまり出回っていないビール系飲料がある。いや、通常はまったく売られていないので、季節もの ── 夏だけなのかもしれない。
ビールとトマトジュースをカクテルにした『Red Eye』。健康に良さそうな気配を漂わせているけど、やはり酒は酒、アルコール濃度はビールなみ。色は赤。

『Red Eye』はこの缶入り製品の、ではなく、このカクテルの名称なんだそうです。

吉行淳之介は銀座のバーでトマトジュースを飲んでいたのであるが、ノンアルコールではつまらないでしょうと、ビールとトマトジュースを4:6の比率のレシピで混合した飲み物を勧められ、月経ビールと称して飲んでいた

阿川弘之『南蛮阿房第2列車』

もともとは吉行さんもやはり、健康を考えて飲んでいたのでしょうけど、
「つまらないでしょう」
はバーがより金を取れる方に持って行ったのでしょう。

最近はジン系カクテルも次々と缶入りで発売されており、バーテンダーは苦々しく思っているかもしれませんね。

アサヒとカゴメがタイアップ

さて、『Red Eye』で想い出すのは、米国に住んでいた頃、東海岸と西海岸の間を夜間運航する航空便です。
「いやあ、夜中にロスを出て、4時過ぎにデトロイトに着いたよ」
「『Red Eye』か、そりゃたいへんだったね」
という具合に、深夜便の飛行機をそう呼んでいた。
眠れないで眼を赤くして目的地に到着するからでしょうね。

私も学生時代に帰省する際にはよく東京から大垣行きの夜行普通列車を利用した。高速バスの深夜便(当時は狭い座席だった)で往復することも多かった。
地上版『Red Eye』ですね。

さて、同じく学生時代に下宿でよく飲んでいたのが、『安ウィスキーのミルク割り』
『サントリーホワイト』とか『ニッカ・黒の50』レベル(当時1本1000円ぐらい)ならば水割りで呑んでいたけれど、それより安いウィスキー(あえて名前は出しませんが)になるとけっこう『トゲ』を感じる ── そのトゲを消してまろやかにしてくれるのがミルク割りだった。
これを当時、友人たちに紹介すると、
「ええ? そんなの、分離しちゃって混ざらないんじゃない?」
「なんか、気持ち悪そう!」
など評判は良くなかったが、実際に飲んでみると、たいてい気に入る。
これも、『Red Eye』以上に、
《体に良さそう》+《でもアルコールで酔える》
でしたね。
コーヒー牛乳のような色になります。

この『ウィスキーのミルク割り』は長らく私のオリジナル、と信じていましたが、ネット検索すると出てきました。
『カウボーイ』という名前まであるようです。

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