見出し画像

買ったペットは、運転監視役トリケラトプス

このところ、食料品・飲料品を除けば自分の意志で買ったものがほとんどない。過去1年間考えてみても何も浮かばない。雑誌や本も除くが、それすらもあまり買わなくなった。
衣類は家族の勧めに従ったものばかりだし、たぶん1番高い買い物であるゴルフのパターでさえ、グリーン上をあまりに右往左往するので、
「いいかげん、新しいの買い直しなさいよ」
と言われるまま、15年ぶりに買い替えたものだ。

「コト」では消費するが、「モノ」では消費しなくなった(食べモノ、飲みモノは別デス)。

旅に出てもお土産はあまり買わない(地酒、地ビール、地ワインは例外)。
現役時代に海外出張などで現地の置物掛物などを買ってくると、同居人から、
「ゴミを買って帰るな!」
あるいは、
「(冷たく)しょうがない……アンタの書斎に置いてよね」
── で、ただでさえ狭い4畳間はますますゴミ屋敷化……。

そんな私が昨年、自分の意志で購入した(たぶん)唯一のモノが、トリケラトプスである。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Triceratops4_NT_small.jpg

残念ながら(いや、幸いなことに?)本物ではない。

イオンモールの中で閉店したばかりのアパレルショップのスペースを数日間借りて、BOOK-OFFが中古のおもちゃ類を売っていた。
冷やかしで中を歩いていたら、ぬいぐるみの山の中で、私を睨みつけているヤツがいた。

面構えがいい!

植物食恐竜トリケラトプスは、トリ=3、ケラス=角、オプス=顔で、顔に3つの角が生えています。

「よし、これを買おう!」
「やめて、やめてよ! そんなの、ダニの巣窟じゃない! どうせすぐに部屋の隅で埃まみれになるだけでしょ!」
(── なぜこいつは、1年にひとつぐらいしかない私の『買いたいモノ』に大反対をするのだろうか?)
「いや、買いたい。買う!買う!Cow!Cow!」
と3歳児のように言い張ると、
「じゃ、百歩譲って、新品を買いなさい。そんなの、既にダニの巣窟になってるよ」
「いやだ! 同じモノがあるとは限らない。これを買う!Cow!」
床を転げ回って手足をバタつかせてもいいのだが、相棒は、
(この人物とは何の関係もありません)
と去って行くだけだろう。

《同じモノがあるとは限らない》
これはまったく正しい判断で、後からアマゾンで『トリケラトプス*ぬいぐるみ』で検索したが、それこそ幼児に迎合したような、軟弱な顔つきの奴らばかりだった。

「じゃ、千歩譲って、帰ったらすぐに洗剤でしっかり洗いなさい! いいね?」

さて、家に帰って洗ったかといえば、まったく洗っていない。洗う必要なんてないのだ。

家に持ち帰り、まずは記念撮影

そもそも、ぬいぐるみが忘れられて部屋の隅で埃まみれになるのは、『役割』が与えられてないからである。

私がトプスくん(と名付けた)に命じたのは、運転の監視役である。

助手席の左角にトプスくんを配置
運転席からの視界を遮ることはない

彼は、運転席の私を監視し、常に安全運転を促している。
窓越しだがいくらかの紫外線が常に当たるので、ダニがいたとしても死滅するはずだ。

こんな感じで運転席を睨んでいる!

うーむ、いい買い物をした!

さて、最後になりましたが、こんなに揉めた買い物、さぞかし値段は……とご心配の向きもあるでしょう。
消費税込みで、

……いや、驚かれ、というより、呆れられるので、非公開とします。


#買ったわけ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?