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【日記】本当にただの日記

パウル・クレーを知る

 私の好きな画家にパウル・クレーという人物がいます。どんな絵を描く画家かというと、こんな感じの抽象画を描く人物です。

数学者
ネクロポリス

 かわいいでしょ?それとも意味がわからない?でもなんか惹かれる。そんな絵を描く画家です。

 好きな画家と言っても、最近まで名前をなんとなく聞いたことがある程度で、特に何を描いているのか全く知らなかったのですが…

 きっかけは二月に行った『ピカソとその時代展』。ベルリンにある国立ベルグクリュン美術館の展示品を持ってきたもので、ピカソ以外にも同時代の作品が展示されていました。面白そうな特別展があれば、何かと見に行ってましたので、ピカソのネームバリューに釣られて見に行こうと思ったわけです。

 その中に、クレーの作品も複数人展示されていて、それが私の目に留まったわけです。

 他の画家の絵も、それこそピカソの絵もあったのに、クレーの絵に惹かれたわけです。まあ好みという他ないでしょう。私の琴線に触れた、ただそれだけです。

黄色い家の上に咲く天の花
夢の都市
子どもの遊び

 そもそも美術史に関しては全く詳しくないので、偉そうにあれこれと語ることはできませんが…。幾何学模様っぽいとか幻想的とかそういう言葉で表していいのか、どうか…。とにかくいい感じなのです。

クレーを見たい

 せっかくクレーという画家を知ったので、他にも見に行きたい。と、言ってもクレーの故郷であるスイスやドイツに行く時間もお金もありません。

 ただ日本国内にも幾つか所蔵している美術館があります。と、いうわけで夏休みを使って東京のアーティゾン美術館へ。ここは、予約制なので人も少なく、しかも学生も無料なので(ただ私は学生証を忘れましたので、一般料金を払いました。)非常に行きやすい。東京駅から歩いてすぐというのも非常に好い。とりあえずクレーの作品を目当てに行ってみます。

入り口

とりあえず目的のクレーの作品は、撮影可能だったので撮影。全然違うテーマなのにクレーだと分かるのは、言語化できないクレーらしさがあるのでしょう。言語化できないので、とりあえず見てください。出来れば本物を。

庭の幻影
小さな抽象的ー建設的油彩(黄色と青色の球形のある)
バウハウス展のための絵はがき

クレーを知ったら、他の画家を知る

 アーティゾン美術館は抽象画を多く収取しているようで、今まで知らなかった画家の作品がいくつも有ります。抽象画なんてせいぜい、カンディンスキー(なんか知ってた。)とかジャクソン・ポロック(原田マハの『アノミム』を読んで知った。)とか、その程度しか知りません。

 それでも芸術作品というものは不思議なもので、知らなくても目に入った瞬間、魅了されてしまいます。

「闘牛」とタイトルを見て納得できる迫力
実物を見ると立体になっていて迫力が段違い
この手の抽象画は日本でも展開していたらしい…
「アニメーション」というタイトルを見て、なるほどそれでこんなに流れているのかと納得

 中でも目を引いたのが、ザオ・ウーキー(趙無極)の作品。戦後中国にこんな画家がいたとは…。なんというか霞のようなぼやぼやとした抽象画を描いている印象なのですが…。

 こんな感じ。

 調べてみれば、結構な影響力を持っている画家らしい。しかもいろんなところに所蔵されているらしいので、見に行ってみるのも有りだよなぁとか思います。

 香港のM+に12点所蔵されているらしい。久々の海外渡航は香港にしようかな。

今度は何が見たい?

 かくしてピカソから始まってクレー、ザオと広がった好みは、また何かに出会えば広がるかも知れません。何かに出会った時、何かを感じとる力、センス・オブ・ワンダーってこういうことなんだろうなぁとか思います。
 
 こういう出会いがあるたびにマルクス・ガブリエルの以下の議論を思い出します。

「かくして芸術の意味は、通常であれば自明にすぎない物ごとを、注目するほかない奇妙な光のもとに置くことにあります。芸術は、行為を舞台に上げ、映画に撮影し、額縁に収め、以前には思いも寄らなかった仕方で和音から交響曲を展開し、優れた詩作品において思いも寄らない言語表現を見せる。つまり芸術は、新たな意味でわたしたちを驚かせ、日常とは違った角度から対象を照らしてくれるわけです。このような事情を多くの芸術家がはっきり認識し、全力をあげて探求してきたのでした。」

マルクス・ガブリエル著、清水一浩訳『なぜ世界は存在しないか』p256

そういえばマルクス・ガブリエルの芸術論で新著があったなぁ。買おうかなぁ。

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