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100年後も家族で暮らしたい金沢をつくるために、旅音として僕たちが今やっていること

金沢の為になることをしたい!と会社を始めて5年。最初はどんな未来を作りたいか?もボヤっとしたまま、今目の前で出来ることを。と走ってきたが、3年くらいたって、この言葉に落ち着いた。

地域社会の持続可能な発展に貢献し、100年後も家族で暮らしたい地域をつくる

これを達成するために、今の旅音の様々な事業がある。正確に言うと、いろいろやってみて、しっかり商売として成り立っているのがまだこれだけ、という表現のほうが正しいと思う。笑

最初は金沢の為になることだけをやる、と、決めて動いていたが、活動すればするほど、金沢はあくまで都市で、金沢だけで成り立っているわけではなく、周辺地域の能登や加賀、北陸、日本があって成り立っているのだと気が付いた。だから、今は軸足は金沢だが、北陸全体をみて持続可能な地域になったらいいな、と思い活動している。

ここで、”旅音”として今一度金沢の為に今までやってきたことや、今やっていることを整理してみようと思う。

”旅音”一日一組限定の貸切宿

一日一組限定の貸切宿”旅音”と交流会の実施。「金沢ファンが世界中にいたら、何年後も何十年後も美味しいお酒をみんなで飲めるな」と思って、始めた。ファンとは「金沢にまた来てくれる人や金沢良かったよって発信してくれる人」。

僕がとてもよかったな、また行きたいな、って思う旅や町って、町並みや景色も素晴らしいが、そこにいる地元の人たちと話したり、地元の人しか行かないところにドキドキしながら探検したり、と、その土地の未知との遭遇が「楽しかった。また行きたいな」になっている。

僕たちの宿に来たことがある人はわかると思うが、チェックインの時間が長い。長いゲストとは30分ほど話し込んでいることもある。チェックインでは「夜ご飯の予定決めました?」「もしよかったら、金沢に住んでいる僕たちのおすすめの店教えますね!」と話題が進み、「ここ行ったら?ここ美味しいよ。」など。僕たちがよく行く店を提案し、その店のマスターと仲良くなってもらう。人と人を繋ぎ、金沢を好きになるきっかけを渡していく。

あとは「楽しかったな、また行きたいな」を演出するのが交流会。今はコロナでお休み中だが、地元の人たちとゲストとスタッフがごっちゃに一緒に料理つくってお酒飲んで話をする会。これを毎日行っている。交流会で仲良くなったゲストの家に遊びに行ったり、連絡定期的にくれたり。

僕たちの存在で金沢ファンになってもらったらうれしいし、そういうファンを世界中に作っていくことが僕たちの役割だと思っている。

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町家を残す

旅音の宿の半分は町家と呼ばれる築70年を超えた古民家である。築100年以上の建物もたくさんある。金沢は戦争で街が焼かれていない、日本でも数少ない城下町である。その町並みを構成している大きな要素の一つは”家”だと思っている。

実は現在この町家が年間数十棟の単位で壊されている。5年前は100単位で壊されていた。壊される理由は様々だが、一番の理由は、利用されなくなり、人が住まなくなり、家が傷んで家がボロボロになり、どうしようもなくなってしまっている、という物件が多い。

人が住まなくなる理由は、現在の居住者は高齢者が多いので、入院や死別、しかも生きている間は人に貸したくない、売りたくない、という感情的なものが多い。大好きな街並みを残すため、町としてのアイデンティティを維持するため、少しでもうまく活用し、しっかりと次の次の世代に残していきたいと思う。

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金沢よそもん会

金沢に来たよそもん、金沢に何か関わりたい・何かしたい県外に住んでいる人、に向けた“金沢”というキーワードでつながるコミュニティを運営してる。僕自身東京名古屋と住んでいたとき「金沢に関わりたい」と思っても、できることは地元の友だちに連絡とるくらいだった。もっといろんな選択肢があったらいいのに、と思い、スタートさせた。元々は3か月に一回金沢と東京で飲み会や勉強会を行っていたのだが、コロナでなかなかむつかしくなり、現在は月に一回オンライン支部としての交流会と毎週日曜日に交流する場をつくっている。多い時は30人から40人の参加がある。Facebookグループにてイベントの告知を行っているので興味あれば是非。

そしてうれしいことに、よそもん会の運営は最近は有志の友だちが行ってくれている。運営側としてよそもん会に関わると、より深く地域に関われるし、その輪がどんどん広がったらいいな、と思っている。

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医療的ケア児童の旅行ガイドライン作成

いつでもだれでも旅行に行ける。この当たり前だと思っていたことが、当たり前にできていない人たちがいる、という現状を知った時は衝撃だった。

福井のオレンジホームケアクリニックの紅谷先生と出会い「この子たちがいつでもどこへでも旅行に行けるようになったら、本当に世界中の人たちが旅行に行ける世界になると思うんです。そのためには、当事者や医療従事者の意識や行動も大事だが、受け入れ先の旅行会社や宿の人たちの協力も不可欠なんです。」と言われたとき、ハッとした。

スタッフの須田さんを中心に、一年以上かけ、ガイドラインを作った。ガイドラインや活動内容はこちら。金沢がいろんな人で溢れ、多様な文化が重なり合い、面白い人たちの交差点になったらいいな、と思っている。須田さんはこの事業も一般社団法人にし、卒業し、活動を続けている。

3月末に一般社団法人TryAngleとしてイベントを実施するので、興味ある方は是非参加してほしい。

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コワーキングスペース

僕たちのオフィスは、コワーキングスペースとしても開放している。金沢駅から徒歩5分以内。上記の金沢よそもん会の会員の人なら無料で利用できる。もちろん地元の人たちも使える。金沢に多様な人たちが集まり、旅行だけでなく、学び、生み出し、仕事になったりする関わりが増えたらいいと思っている。夏は横でビアガーデンを行っている。ビールだけ販売し、ご飯は商店街のお店からテイクアウト。少しでも地域の美味しいご飯を堪能してほしいし、地元の人も今まで行かなかった店を試してみてほしい。

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地域の公民館

僕たちの運営しているゲストハウスの一階は地域にひらかれた場所になっている。地元の人が、毎週月曜日は不登校のお子さんを抱えるお母さんが集うカフェ”ココノマカフェ”を地元のお母さんがやってたり、春巻きやをやりたいと、週末限定の春巻きやさんを出してみたり、ヨガ教室やったり、町内会の行事や総会、子ども会や飲み会など、地元の人たちが集まる場所になっている。しかも、地元の人たちが利用すると公民館並の料金で利用できる。最近地域のお母さん方が話をする「地域に人が集まる場所がない」という課題。ちゃんと活きた新たな公民館の形が、僕たちの存在で一つの解になったらいいなと思う。

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ローカルビジネスカレッジ

金沢の為になることをすると、決めて行動してきたが、金沢のことだけ見ていてはだめだ、と、気が付いた。金沢はあくまで地方都市であって、工芸等は生産しているが、それ以外の生産は他地域の能登や加賀、富山や福井に頼っている。わかりやすい例で言えば、水は白山がないと生きられない。だから、金沢を考えるからこそ、周辺地域、北陸としてどうあるべきか、を考えるのが非常に大切だと思う。

そんなことに気が付いて始めたローカルビジネスカレッジ。金沢以外の地域にもどんどんプレーヤ―になる人が増えてほしい。そのために僕たちノウハウを提供し、地域で生業を営み、活躍する人を増やしたい。

このローカルビジネスカレッジでは、旅音の宿泊所運営のすべてのノウハウを公開している。全くの素人でも、ゼロから初めて運営や育成も動画で出来るようになっている。

北陸に、素敵な場所がどんどん増えていったらいいな、と心の底から思う。

プレゼンテーション1

これからの活動

ここまでが、旅音として、100年後も家族で暮らしたい金沢をつくるために行ってきた活動。

旅音の活動は、これからも継続し、より金沢ファンが世界中に増えるように努力し、新たなサービスもどんどん開発し、提供していく。

しかし、繰り返しになるが、あくまで軸足は”金沢”に置くが、金沢はあくまでも都市で、周辺地域があっての金沢が成り立っている。逆もまたしかり。なので、金沢を軸足に本当に持続可能な地域の発展に貢献しようと思ったら、北陸全体をみて、そこで持続的で循環的な地域を作っていく必要があると考えるようになった。これは金沢の為に、を真剣に5年間考え続けた結果、こういう結論に至った。なので、次なるプロジェクトの目的は、

北陸全体を見て、地域社会の持続可能な発展に貢献し、100年後も家族で暮らしたい地域をつくる

である。

新たなプロジェクトは、2つあり、プロジェクト名もブランドも変える。

一つ目は、”workit”。地域がより面白くなっていくためには、面白い人がたくさん集まる必要がある。面白い人が集まるために、沢山のプロジェクト・仕事をつくっていく。近日リリース予定だが、プロジェクトにかける思いは、代表の林佳奈のこちらのnoteを見ていただけたら。

二つ目は、最近noteに書いている”ゲンダイシュウラク”。100年後も豊かな暮らしを営むために、我々はどうしたらいいんだろう?という疑問を解決するための実験場。そのために、安全で快適なエネルギーから自給自足集落をつくる。詳しくはこちらのnoteから。

僕たちの活動が、数十年後に地域の持続可能な発展に不可欠だったな、と言われるよう、新たなスタンダードをつくっていきたいと思う。

皆様、まだまだ未熟な会社ですが、今後ともよろしくお願いいたします★

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