いわき、26日にアウェイ水戸戦

 サッカーのいわきFCは26日、明治安田生命J2リーグ第2節で水戸ホーリーホックと対戦する。試合は15時からアウェイのケーズデンキスタジアム水戸で行われる。水戸は清水エスパルスとの開幕戦を0対0の引き分けで終えており、勝ち点1。藤枝MYFCとの初戦を落としたいわきは、アウェイとはいえ、まず勝ち点を奪いたいところだ。当日の天気は最高気温11度の快晴と予報されている。

いざ常磐ダービー、成長への手がかりを

 常磐高速道路でも常磐線特急でも1時間しかかからない水戸は、いわきにとって、郡山や仙台以上になじみのある都市ではないだろうか。平のテアトル(現・まちポレいわき)で公開されていない映画を観るために水戸まで足を延ばした人もいれば、大学受験の模試を受けるために水戸まで出向いた高校生もいたはずだ。話す方言は似通っていても、丸井の巨大なビルに、東北と関東の厳然たる格差を感じたいわき市民は多かったに違いない。

 サッカーにおいても、福島県は茨城県に大きく後れを取っている。Jリーグで最も多くタイトルを手にしている鹿島アントラーズに加え、後発の水戸ホーリーホックもJ2の厳しい戦場で、気づけばすでに20年以上の経験を積んでいる。福島ユナイテッドFCやいわきFCとは、プロクラブとしての歴史が違う。

 しかし、過去は埋めようがない。いま、ここから新しい歴史を紡いでいくために、試合の内容はもちろんのこと、試合運営やフロント体制についても、いわきは先達から学んでいかなければならない。いわきが発足当初から先進的なクラブ運営を実践してきたことは確かだが、先輩クラブから吸収できることもまだまだあるはずだ。さらに、サポーターがアウェイの地で得た知見を持ち帰り、いわきにフィードバックすれば、クラブを中心とした街づくりはより洗練されたものになるだろう。

 折しも26日は、水戸の西村取締役GMが上梓した『世界で最もヒトが育つクラブへ「水戸ホーリーホックの挑戦」』がスタジアムで店頭販売される。イトウ製菓のでかビスケットやあん肝鍋を頬張りながら、水戸が歩んできた道のりをこの本で振り返り、いわきの行く末を思案する。東北一の都市を実現したいのならば、サッカークラブとしても街としても、まずは水戸と伍す程度の力が必要だ。成長のヒントを、探しに行こう。

 
 

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