いわき、町田に惜敗

優勢に進めるも、終盤に決勝点許す

 いわきFCは26日、ホームのいわきグリーンフィールドで明治安田生命J2リーグ第6節に臨み、FC町田ゼルビアに0対1で敗れ、3試合ぶりの黒星を喫した。いわきは町田に対して試合を優勢に進めたが、得点を奪えず、87分に町田のFW黒川に決勝点を許した。いわきの通算成績は2勝1分3敗となり、12位に後退。首位を守った町田との勝ち点差は9に開いた。いわきは次節、4月2日にアウェイで6位のファジアーノ岡山と対戦する。

黒田采配に屈す

 第3節のレノファ山口FC戦を思い出すような、惜しい敗戦だった。前半、いわきのロングボール攻勢に遭い、攻撃の形をほとんど作れなかった町田は、黒田監督も含め、面食らったに違いない。警戒していたFWエリキにはシュートを1本も打たせず、DF嵯峨とMF加瀬が右サイド深くまでえぐるシーンも何度か見られた。

 しかし、青森山田高で一時代を築いた名将の手腕が、形勢をひっくり返した。ハーフタイムに中盤の選手を2枚替えすると、いわきの運動量が落ち始めた60分過ぎから、だんだんとマイボールの時間を増やす。いわきもFW杉山、DF加瀬を投入して打開を図るが、相手センターバックの堅い守りの前に、シュートまでなかなか持ち込めない。

 そして86分、エリキを下げてまで勝機を探った、黒田監督の執念が実る。FW沼田が速水を背負いながらも難しいロングボールをFW荒木に落とし、荒木がゴール前へクロス。これを出場直後のFW黒川がヘディングで合わせた。GK高木和が一度はパンチングで防いだものの、黒川がいち早く反応して押し込んだ。ゴールに絡んだ3選手は、いずれも途中出場。黒田監督の積極的な采配が功を奏した。

 いわきはゴールシーンの直前に、DF江川が足を痛めるアクシデント。すでに3回の交代機を消費していたため、フレッシュな選手を入れられない事態に。選手層と交代策の差が、勝敗を分けた。
 
 ただ、いわきの戦術はJ2でも多くのチームを苦しめそうだ。敗戦したゲームも、すべて1点差。最後まで観客を飽きさせないサッカーはできている。町田以上のチームは、J2でもそういないはず。自信を持ちながら、容赦なく挑み続ける姿を、見せてほしい。



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