見出し画像

マレーシアのワクチン有効性(8/8)

マレーシアのワクチン有効性(8/8)

以前ワクチン有効性を見積もりましたが、1週間経ったのでまた見積もってみました。7日間の平均です。()内は前回8/1時点です。

感染防止 68%(73%)
発症防止 46%(53%)
入院防止 71%(60%)
重症防止 94%(91%)

(※前回の数字が、前回noteと微妙に異なっていますが、計算方法を少し変えたためです。後述)

感染防止と発症防止は前回より低下。入院防止、重症防止は前回より上昇

結果からわかるのは、「感染防止と発症防止は低下。一方、入院防止、重症防止は上昇」ということです。

結果の違いについて何が原因かはなかなか難しいですが、感染防止と発症防止の低下については、2回めの接種が進んで、入院や重症の予防効果が高くなったと考えるのが自然のように思います。

というのは、セランゴールの新型コロナ専用病院の一つ、スンガイブロー病院で高齢者の重症者が減ってきている(こちら)からです。これはワクチンの重症化抑制効果が現れてきていることだと思われます。(ちょっと効果発現が遅いようにも思われますけれど)

一方で感染や発症の有効性低下については、いわゆる「魔の2週間」(1回目の接種のあと却って感染しやすくなる現象)が関係しているかもしれません。

もう一つ、感染・発症防止有効性の低下の原因の可能性として、イスラエルで見られているようなワクチンの効き目の低下がありますが、それはまだだと思います(と信じたい)。

今回の見積もりの限界・問題点について


前回も書きましたが、重要なことなので、見積もりの限界について書いておきます。

1. ここでは、PCRで陽性とわかったときのデータを使っている。本来は、症例者が重症化しないか追跡する必要がある。ワクチンは重症化を防ぐ傾向があるので、(重症度の高い症状の)予防効果(有効性)が過小評価される可能性あり

2.1回接種と2回接種を分けて扱っていないので、それぞれがどの程度の有効性かを求めることはできない。完全接種(2回接種後2週間経過後)の場合は、もっと有効性が高くなるだろう。

3. 有効性を求めるときは年齢などの補正をすると思うが、それはできない(「補正前の有効性」になる)

4.感染防止の有効性が発症防止の有効性より高くなっているが、ワクチン接種者が無症状の場合、検査を受けない可能性が被接種者より高いと考えられ、そのせいで、見かけの有効性が実際より高くなっている(過大評価の)可能性がある

前回との値の差異

見積もりには、症例者が判明したときの重症度とワクチン進捗率(1回以上)を用いていますが、前回は、ワクチンの接種率として当日の値を用いていました。ところが、ワクチン接種率の当日の値は翌日の昼頃にならないと発表になりません(一方、各重症度別の新規症例者数は当日夜には発表されます)。

そこで、どうせ簡易な見積もりなので、前日の接種率を用いて計算することにしました。この計算方法の変更で、前回の8/1の値は

重症防止 92%→91%
入院防止 62%→60%
発症防止 55%→53%
感染防止 74%→73%

と若干低下しました。これは、ワクチンの進捗率が低いとワクチン接種者と未接種者が同じ数いても、有効性が低くなるからです。

だが、ざっくりな数字なので、早く結果を出すことを重視することにしました。

よろしければ、サポートをお願いいたします。いただいたサポートはアプリやソフト、機器の購入など、今後の内容充実に使わせていただきます。