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2019.10.26 それは導かれし運命だったのか #consadole #Jリーグ

2019年10月26日土曜日。

2019JリーグYBCルヴァンカップ決勝、川崎フロンターレ戦。

皆さんが書き記しているので自分も書き記しておこうと決めた。内容や時系列はバラバラだけども、自分の人生にとっても大切な2つのイベントが重なったので。

前日夜に飛行機は遅れながらもなんとか東京に入り、短いながら5時間程度は睡眠できた。3年前のフクアリの時は極度の緊張で30分程度しか寝られなかった。それに比べれば心は成長したし、あのときとは違った余裕があったのかもしれない。

埼玉スタジアムへ向かう電車にはほぼコンササポしか居なかった。遠く800km以上は離れたチームなのに、コンサドーレ側は試合開始には赤黒の人達で埋まっていた。陸海空、ありとあらゆる手段を駆使して集まった。メインスタンドにもバックスタンドにも。負けるわけがない。負ける気がしなかった。

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試合開始前、キーパーのソンユンとディフェンダーのミンテが握手をし、胸を付き合わせて熱く健闘を誓うシーンがあった。自分はあの瞬間に感情がとても揺さぶられた。いつもやっている風景なのだが、こんな大舞台であの二人の姿を見られるのは…と思ってしまったからなのかもしれない。

そして、コンサドーレは実際1歩前に出た。

でも追いつかれた。

今度は1歩前に出られた。

でも執念で追いついた。

また1歩前に出た。

でもまた追いつかれた。

120分でも決着がつかず。PK戦という残酷だがわかりやすく白黒ハッキリつけるやり方で、すぐそこにあったはずのカップは目の前から離れていった。

他チームのファンやサッカーファンたちにはどう見えていたのだろう。コンサドーレはよく頑張ったとか、重要なところを守りきれないのが経験値のない弱さだとか。

試合後、続々と上がるサッカーファンの方や、スポーツアナ、ライターさんたちのレビュー記事やテレビのスポーツニュースには歴史に残る大激闘とか死闘だったとの文字が出てくる。

でも今になって思うのは、それでもコンサドーレはやっぱり負けたクラブなのである。優勝したのは川崎フロンターレだ。2位じゃダメなんですかって言葉が一時期話題になったが、ダメなのだ。(余談だが自分は2という数字はとっても好き)

両チーム以外のファン、サポーターには2019のリーグカップは川崎フロンターレがすごい試合展開で優勝した、という事実しか残らないであろう。そしてその相手は、そういえばコンサドーレだったね、くらいなもの。敗者というのはそういうものだと思う。

だからこそ、勝って歴史にコンサドーレの名前を刻みたかった。フロンターレの(失礼ながら)シルバーコレクターには比較になんかならないほど、負の歴史にはコンサドーレはたくさん名前を刻んでいる。いまだ弱いってイメージも染みついているはずだ。だからこそ、ただただ勝ってほしかった。

でも選手スタッフを責めることは出来ない。あの場にいるコンサドーレに関わる全ての人が、心から優勝したい。そう思ってるのは言わなくても伝わってきたから。

試合前日の新千歳空港。飛行機の搭乗待ちの間に、よくご一緒するサポ友さんと空港内のバーみたいなところでお酒を飲む機会があった。

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自分は飛行機乗る前はお酒は飲まないようにしている。だけども、この日はこの1杯だけだけども飲んだ。心の昂りを抑えるためなのか。

確かにフロンターレは強い。相性も最悪だ。でも10回に1回でも100回に1回でも勝つ試合は明日だ。そんな話をしていたと思う。楽しまなきゃ損だ、と。

そして、天国へ旅立ってしまったサポ仲間さんの写真も見せてくれた。あのときの柔和な笑顔が写真のなかから自分を見つめてくれる。

試合中、蝶がヒラヒラと自分のいたあたりからピッチに向かって飛んでいくのが見えた。偶然だったのかあるいは…答えは自分が死ぬまでわからないと思うけど、その時になったら聞きに行こうと思った。

実はこの日自分にはもうひとつ大切なイベントがあった。

それは約20年ほどの付き合いがあり、毎年年末にみんなで忘年会をしている中学時代の部活仲間から、二次会ではあるが結婚式に招待されていた。

自分にとって中学時代の友達たちは一生モノである。もちろん行くと飛行機すら抑えてない段階で即答で返事したのを覚えている。

改めて日付を確認したら決勝と同日だった。コンサがベスト4止まりでも東京には行く予定だった。勝ち上がった。コンサもだいたい20年近く見てきた。運命めいたものを感じざるを得なかった。嬉しいが悩ましい。そんな約13日間を過ごしていた。

二次会は17時半から渋谷で予定されていた。タフな移動である。友達である新郎には遅れると思うと事前に言ってあった。幸い友達もサッカー好きであったのですんなりと理解はしてくれた。90分で決められるよう応援がんばれ、と。

ひとつ、恥じてることがある。それは1-2で迎えた後半アディショナルタイム。自分はジャケットを着て、すぐにスタジアムを出る準備を進めていた。格好だけはあたかももう終わりだと言わんばかりで応援を続けていた。

しかしコンサドーレは、まだあなたを渋谷には行かせないよ?と言わんばかりにラストワンプレーで追いついてくれた。そのとき、喜びが勝っていたが、段々自分が恥ずかしくなっていった。諦めていたわけではない、でも結婚式だって外したくない。一瞬だけコンサを捨てたのではないか、と自問自答していた。

だから、最低でも結果だけは最後まで見届けようと決めていた。勝ったらセレモニーまで付き合おうと。でも負けた。それを見届け自分はサポ仲間さんに一言告げてスタジアムをあとにした。コンサドーレをしっかり迎えたかったが、自分は二兎追うものは一兎も得ず状態は避けたかった。

浦和美園駅へ向かう途中、背後からスタジアムMCを務めた関野さんの、優勝は川崎フロンターレです!!というアナウンスと割れんばかりの歓声が聞こえてきた。現実だと受け入れひたすら駅に向かった。

おかげさまで駅の入場規制にもかからず、電車にも座れ永田町経由で1時間ちょっとで渋谷に着いた。ハロウィンでごったがえす渋谷の街を、コンサユニを着た男性はそのまま人生初の渋谷109に入店し、結婚式モードに服装をチェンジして、30分遅れながらほかの友人たちと合流して祝福することが出来た。もっとも、新郎には負けたんかい!と突っ込まれたが。

とあるチームのファンである父からは、試合後「いきなりさ、満腹になっちゃいけないんだよ」と言われた。

悔しいけど、確かにそうかもしれない。ひとつ腹八分目を味わうことも悪くないかもしれない。

でもやっぱり腹八分目では足りないのだ。満腹になる瞬間が来ることを信じて、これからもコンサドーレを見続けていければいいと思う。

見たことない景色から、見たことあるようでなかった景色を見に行ける日は必ず来るはずだ。

そしてそのときはどんな結果でもしっかり戦い抜いた選手たちを出迎えてあげたい。

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あえて一般紙を買った。そして貼った。

スポーツ紙よりも活字のインパクトがあると思ったから。いつかこの記事の横に3大タイトルのどれかを制覇したという記事が飾られることを信じている。

誰がなんと言おうとやっぱり北海道コンサドーレ札幌というチームは最高なんだ。

そう思えた幸せな3時間だった。

最後に。雑文にお付き合いありがとうございました。あの場にいてそのあと結婚式に参加するって人は私だけだった自負があります。こんな奴もいたんだというふうに笑っていただければ幸いです。

同じ頃から歩みを進めてきた友とコンサドーレの節目の日が同じ日に来たのは、神様がさずけてくれたちょっとしたいたずらなのか運命だったのかもしれません。

2019.10.26 忘れられない日になりました。