見出し画像

5分でわかる、"5分でわからせようとしてくるよくわからない勢力"

浅ましいんですよね。ほんっとに気に食わない。
5分でわかってもらおうっていう、その魂胆が。

心理学のハウツー本や、パソコンの入門書。人はどうしてか、5分でわからせようとする。

無理だって。短すぎる。
こっちはわかりたいんだから、丁寧に教えてくれよ。
5分でわからなかった俺が悪い」みたいな気持ちになるし。

今どきYouTubeだって、5分の解説動画なんて無いでしょ。

ヒカルのYouTubeチャンネル見てみなよ。30分越えの動画が当たり前だぞ。それくらい提供しないと伝わらないんだって。





え、YouTuberの再生時間が長いのは、投稿者が広告をつけるためなの?

俺、YouTube Premiumに登録してるから広告とかよくわかんねーや。

投稿者の「動画を長くしてみんなにわからせたい」という努力を「動画を長くして広告を付けたい」なんて卑しい考えにすり替えちゃうほど広告がウザったいなら、Premium登録しな。5分もかからないから。













突然ですが、この記事は字数が2500字を越えた時点で、強制的にブチ切ります。理由は後述。






問題です。


Twitterの投稿文字数の上限は、









おーっとまだですよ〜、問題は最後まで聞いてくださいね。


Twitterの投稿文字数の上限は140字。
Instagramの投稿文字数の上限は2200字。

ですが、その投稿に対して、くだらない返信が多くつくのは、どちらのSNSでしょうか!?


答えは、私が言うまでもないでしょう。



140字じゃ伝わるものも伝わらない。だから本来の意味を取り損ねて、的はずれなリプライがつく。

インスタの返信欄見てみろ。ちょっとクサイ絵文字で溢れてるだろ。返信なんて、こういうのでいいんだよ。
2200字書けるSNSは、やっぱり「わからせ」度が違う。



ごめん、やっぱ嘘。民度の差かもしれない。
なんかTwitterの方が、人様の投稿にいちいち揚げ足とるねちっこい奴が多そう。





Twitterといえばさ、「140字小説」ってご存知?


Twitterの上限文字数を利用して、140字の小説を投稿しますよっていう、文学とユーモアのセンスに富んだ人達だけの偉そうな道楽。

サクッと読める上に技術も盗めるから結構好きなんだけど、ひとつだけ読むのを躊躇ってしまう要因があるんだよな。

返信欄が地獄。


140字小説は、俳句や川柳の類と同じものだと思ってる。書き手の思いが極限まで短い字数に凝縮されていて、想像力をかき立てる。

短いからこそ、読み手の人生経験や感性によって、それぞれ違った物語が生まれる。


ギュッと凝縮された言葉をいかにほどくかってところが面白いのにさ。140字小説の内容どころか、その"言葉をほどく"という営みの価値も全く理解してない「すまん、解説求む」っていうリプライ。

それに対して自分の解釈を素直に語っちゃう、作者とは一切関係ない人のリプライ。しかも自慢げ。


余韻に浸りたいのに、返信欄を覗けばネット版"中学国語の授業風景"が領域展開されている。なんなんだよこれ。


あと、なぜか自分で考えた続きの文章を綴るリプライね。
あえて140字にまとめる意味、その美しさ、全く理解してないだろ。


おい、イーロン・マスクさんよ、そろそろTwitterをアプデしてくれないか。


・「#140字小説」の投稿に対して、返信することができなくなりました

みたいな神アプデを願ってやまない。

あの投稿に続編や解釈を投稿することほど無粋なことはない。ただ絵文字送っときゃいいんだよ。

😭←こういうやつね。俺も使ってる。










ま、こんなところで「わかってもらうこと」の難しさはわかってもらえたかと思います。

今回はその難しさに挑戦しようと考えてます。

俺は生粋の文学部。noteの投稿数も、それなりに増えた。
人より少しだけ、おまけ程度に秀でた文章力で、「5分でわかる」記事を書きます。

5分でわからせようとする勢力の気持ちに俺がなる。



読書において、文字を読む速度は平均して1分間に500字らしい。5分でだいたい2500字読める。

よってこの記事、2500字でまとめます。文学部の誇りにかけて。










珍しく漫画を買ってきた。文学部として、思わず手が伸びた。


間違いない。「5分でわかる」系だ。

文学部として言わせてもらう。日本文学に対して超失礼だと思う。

文学作品を10ページでまとめちゃってるところで1アウト。

それをあろうことか漫画でまとめちゃってるところで2アウト。

定番の」で良いのに、「定番すぎる」なんて、まるで定番であることが悪いことかのように不朽の名作を貶めるところで3アウト。

あと、著者。どんな文豪がこの本をまとめたのかと思えば、どうやら良からぬ工場で生産されてるみたいじゃないか。なんか、水木しげるさんのクローンを培養してそうな工場だな。
人道的観点から、とりあえず4アウトを宣告する。


内容によっては文句をつけてやる。文学部の誇りにかけて。

そう決めて、ページを捲る。


21作品も収録されてたんだけど、俺が最初から最後まで読んでる作品がひとつもなかった。

なーにが文句をつけてやる、だ。文句のつけようがない。

結局めちゃくちゃ面白かったし、しっかり5分くらいでわかった。


まず作品の品揃えが良い。近代文学だけじゃない。近世の古典、海外文学、かたくて取っ付きにくい印象がある文学というジャンルだからこそ、どこからでも読み始められる間口の広さは魅力的。
基本はフキダシに収まるくらいの簡潔な文章で話が進むんだけど、地の文章が充実してるから、内容を取り損ねることがない。
地の文が長いところは、その分大きいコマをとって、そこに壮大な背景をドンっと描いたりしちゃうから、文字を読むのが苦にならない。
水木しげリズ厶が漂うホラーテイストなデザインも、近世の無骨さを感じてかえって味がある。

以上、この中の作品ひとっっつも読んだことのない、文学部としての誇りもくそもない、日本文学に対して超失礼な俺による30秒レビューでした。
ちょうど250字になってるから30秒で読め。計れ。


やっぱり価値が付いて、書店に並べられてるものは格が違う。

俺も負けてらんない。ここからまとめに入ろうとお



(2500文字)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?