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死ぬことしか考えられない状態〜別れさせ屋との出会い

昨年末、彼女から突然の別れを告げられた僕は、人生でこれまでにないほど病んでしまった。心を損ねた、という表現がしっくりくる。

大袈裟な表現ではなく、本当に胸が痛い。何も食べる気にもなれず、寝たきりの日々が続く。

それでもまだ生きていけたのは、彼女とのやりとりが低頻度ながら続いていたからだ。

彼女とまたよりを戻せるかもしれない。その僅かな希望を胸に日々を生きていたが、復縁を迫り余裕が全くなくなった自分に、彼女は連絡を返さなくなった。

今思えば、復縁など迫らず、淡々と連絡を返し、連絡が来なくなってもこちらから追って連絡などしなければ、今よりももっとマシな状況だったかもしれない。そして復縁を目指すならば、その成功率もグッと上がっていただろう。

だが、その時の自分にそんな心の余裕はなかった。心から好きで、これ以上の人はいないと思える彼女が離れ、その彼女に新しい彼氏がいる。そしてもう自分のところに帰ってくる可能性が完全に絶たれたとき、私の精神は再び崩壊し、死ぬことしか考えられなくなった。ベッドから起き上がれないし、仕事もまともにこなせない。

彼女以上の女性と出会えれば、また立ち直れるだろう。

だが、30を過ぎた男にそんな保証はどこにもない。そして、彼女ほど好きでない女性と付き合ったり結婚することになんの幸せも感じないだろう。であれば、この先生きていく意味などあるのだろうか。そんな思考に陥った。

どうせ死ぬなら何でもしてやろう。SNSの捨て垢から何か仕掛けて別れさせられないか。そんな考えがよぎった瞬間、ふと思った。

「別れさせ屋みたいな業者ってあったりしないかな」

検索してみると、出てくる出てくる。あ、これだ。これしか道はない。
そう思った。

再び希望を見つけてしまった僕は、ベッドから起き上がり、また生きることを選択できたのだ。

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