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秋色に染まる埼玉の秘境で四苦八苦

2023年10月28日
昨年秋に起こった土砂崩れ以来、通行止めとなっていた中津川に至る道。
それが、今年の8月にようやく復旧して通れるようになった。
今回は、久しぶりにその道を通って埼玉の秘境である中津川へ。
赤岩岳から赤岩尾根を八丁峠までソロで縦走してみた。

🥾日窒鉱山から赤岩岳

日窒鉱山の社員寮跡の手前、赤岩橋付近に車を停めてスタート。
廃墟となった社員寮を抜けて、登山道へ進む。
序盤は暗い針葉樹林の中をつづらを折って登ってゆく。

日窒鉱山の社員寮跡
しばらくはこんな感じ
早く明るい尾根に出たい

やがて赤岩峠に至る尾根に飛び出す。
山の端から昇ったばかりの朝陽に木々が明るく照らされる。
途中から尾根を右に外れて広い谷を詰めていく。
静かな森の中、ヤマドリのホロ打ちと鹿の鳴き声が響き渡り、
自分が山奥まで来ていることを実感して嬉しくなった。

明るい尾根に出た
山奥で巨樹に出会うと感動して写真撮りがち
赤岩峠に向けて谷を詰めていく

7時20分に群馬県との境である赤岩峠に到着。
広葉樹に覆われた明るい峠だったけど、
群馬側は濃いガスに包まれていた。

静かな赤岩峠
埼玉側は晴れていて明るい

赤岩峠から群馬側へ回り込みながら赤岩岳を目指す。
途中で峠にザックをデポしていた方が一人降りてきた。
ちなみに、これ以降八丁峠に至るまで誰にも会うことはなかった。
赤岩岳への登りは岩場の直登から始まる。
ホールドスタンスは豊富にあるから問題なく登れる。
リッジを過ぎると、森の中の急登を登って山頂に出る。
※ホールド:岩登りで手がかりとなる岩
※スタンス:岩登りで足場となる岩
※リッジ:岩尾根や岩稜のこと。

赤岩岳への登り
序盤から岩場の直登
8時に赤岩岳登頂

山頂標識がある場所は展望はないけれど、
少し奥へゆくと大ナゲシ方面が開けている場所があった。
ガスり気味だったけど、風があり何やら晴れそうな雰囲気…
休憩しながら待っていると、読みどおり晴れてきた。
眼下の紅葉と青空が美しく、30分近くのんびりしてしまった。

ガスが取れると最高の秋景色

🥾赤岩尾根縦走

いよいよ赤岩尾根の縦走が始まる。
赤岩岳から少し下っていくと岩場が現れて、
紅葉に彩られたリッジを順調に進んでいく。

ソロでバリエーションルート、緊張しながら進む

まずは核心部である1,583mピークを目指す。
不明瞭ながらも、点々とする目印を頼りにルートを辿る。
この辺りは、リッジ上を丁寧に歩くので迷うことはなかった。
核心部の手前にある岩場をまずは左側から直登でクリアする。
そこからコルへの下り、1箇所懸垂下降してもいいかなと
思うような岩場があり緊張を強いられた。
※コル:山の鞍部。峰と峰の間の最も低い場所。
※懸垂下降:ロープを使って急斜面を下る。
      ATCやエイト環といった下降器を使う。

慎重にルートを探しながら進む
核心部のひとつ前にあるピーク
懸垂しても良いかもと思った岩場
見た目以上に難しかった

1,583mピークの真下までやってきて見上げてみる。
フリーソロで正面から直登する勇気はない。
危険なことはやってもいいけど、無謀なことはしない。
事前に調べていたとおり大人しく右側に回り込み、
トラロープのフィックスを発見してそこから登っていった。
※フィックス:岩場などに張られたロープ。固定ロープ。

1,583mピーク
大きく右に回り込むと事前情報どおりフィックスを発見

次はP4だけど、この辺からルートが不明瞭になってきた。
目印はあるけれど、色褪せていたりであまり目立たない。
また、踏み跡もそれらしいものがあちこちに伸びていてややこしい。
1,583mピークからの下りでは目印を見落としてしまい、
間違った踏み跡を辿ってしまった。異様な下り方をするので
おかしいと思いGPSを見たら、案の定ルートを外していた。

P4を目指してまた一旦下る
異変に気付いた場所
道迷いの怖さを実感
おかしいと思ったらすぐ地図を見る!

ルートに復帰したものの相変わらず不明瞭なルートが続く。
P4への登りも目印はあるものの、これ合っているのか?と
疑いたくなるような急斜面を手足を使って這い上がった。
まぁ、ルートなんてあってないようなもの、自分が歩いた場所が
ルートになるんだ!と開き直って進んでいくことにした笑

慎重に登れる場所を見極めて進んでいった

P3へは久々に岩を直登していった。左側に小さいルンゼを見つけて
細木をかき分けながよじ登った。P3を過ぎるとすぐにP2が現れて、
順調に進んでいることが分かってホッとした。
※ルンゼ:岩場にある溝。

ようやくP3
P4は看板が見当たらなかった
迷いながらもP2へ

P1は大きく回り込んで戻るようにして登頂した。
尾根伝いに登りたかったけれど、目印を頼りに進んだら
そちらに誘導されてしまった。
辿り着いたP1からは、越えてきたP4~2がよく見える。
なかなかの達成感!!
とりあえず、岩稜帯を終えたので一安心。。。

なんとか辿り着いたP1
長かった〜

P1を後にしてコルに下ったところで休憩。
流石に疲労感が大きく、迷いながらの縦走は消耗が激しかった。
再スタートして八丁峠には12時ちょうどに到着。
赤岩尾根の縦走に3時間半かかったことになる。
迷って時間をロスしたのが悔しくてならない。

お久しぶりの八丁峠
前回来た時も大変だったね笑

🥾八丁峠から日窒鉱山

整備された登山道を落合橋へ向けて下りてゆく。
沢やバリエーションルートから登山道に出ると、
高速道路に出たような爽快感があり気持ちが良い。
明るい森の中をスタコラさっさと一気に下った。

落合橋への登山道
一気に駆け降りる
下山!無傷で何より!

そこから車を停めた日窒鉱山まで4kmの林道歩き。
途中、落合橋から下りてくる車に追い越される度に、
乗せてくれないかなぁという淡い期待を抱いたが無駄だった笑
紅葉を見ながら40分ほどの林道散歩で愛車の元に戻ってきた。

林道から見上げる赤岩尾根
湧き上がる達成感、やったね!

🥾まとめ

以前から気になっていた赤岩尾根の縦走。
不安はありつつも、ソロで挑み無事に踏破できた。
ただ、反省点は多い。
事前にかなり調べていったものの、
ルートファインディングでかなり苦戦して
四苦八苦してしまった。
ここまで苦戦すると思わなかったので、本当に悔しい。
赤岩尾根縦走はリベンジ必須案件!!
次はもっとスムーズに抜けられるように頑張ろう。
今回もおつかれ山でした⛰

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