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7/16 宇宙人情物語 スターウォーズ

何の気なしに、もう一度誰もが知る名作を見直したくなる日がある。最近の僕にとってそれは「スタンドバイミー」と「スターウォーズ」だった。スタンドバイミーについてはまたどこかで話すとして、今日はスターウォーズについて書こうと思う。

スターウォーズに関する記憶は、僕の場合はエピソード1〜3が最も古いものだ。PS2で発売されたゲーム版「シスの復讐」にどっぷりとハマり、何度も何度もプレイしたのを覚えている。なので、主人公のアナキンが闇落ちしていき、ダースヴェイダーになった時には普通に「は?」となった。

今や大人気コンテンツという枠組みすら超えて、神話的な人気を誇る映画だが、内容は言ってしまえば宇宙規模の親子喧嘩だ。4〜6は息子ルークの成長と人間の強さを描いた物語。1〜3は父アナキンことダースヴェイダーの転落と人間の弱さを描いた物語。この三部作同士が互いに共鳴し、父と子の関係に重厚な物語を産んでいる。映像や設定の凄さなどは言うまでもないが、スターウォーズが全世界で今も尚愛されているのは、根底にある普遍的な「人情」が感動を呼ぶからだと、そう信じている。

個人的にもダースヴェイダーは作中で一番好きなキャラだ。前回話した「ダークナイト」のジョーカーが「理由のない悪役」の最高峰だとすれば、ダースヴェイダーは「理由のある悪役」の最高峰だ。様々な意見はあるだろうが、僕の思う「理由のある悪役」とは「やらかしたことは擁護のしようがないが、総合的に見ると可哀想が勝つ」というラインにいる者たちだ。「進撃の巨人」のエレンイェーガーや、「鬼滅の刃」の黒死牟などはこのタイプの悪役に位置付けている。

家族愛に溢れた青年が、その愛故に落ちるところまで落ち、冷酷無比な殺戮マシーンと化した。そして、全てを失った男がもう一度、家族愛によって救われる。その際ルークが、ヴェイダーを切り捨て仲間になるよう黒幕のシディアスに言われると、


「僕はジェダイだ。かつての父がそうだったように」


と言い放つシーンはとても感動的だ。「父と違う」とは言わず、ヴェイダーを決して見捨てようとしない。ルークの強さと優しさに触れ、ヴェイダーは遂にジェダイへの帰還を果たす。どんなにベタだろうと、予定調和だろうと、血の通った人情味の溢れる物語は人を惹きつけて離さない。壮大な設定や豪華なセット、超一流の俳優たちよりも、そこに「情」があるのか。どんなに金をかけても成功しない映画があることを思えば、それが一番大事なことと、月並みな感想を言うしかなくなる。

正直1〜6で完結していると思っているので、新三部作はまだ見ていない。本編を補完する以外の続編は余計だと思っているので、あまり見る気もないのだが、とりあえず近くのスターウォーズファンに話を聞いてみてから考えるとしよう。

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