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読書感想 ~檸檬~

先月から新潮文庫の100冊にカテゴリーされて
いる本を買って読み続けています。

最初の一冊を読んで小説の良さに目覚めたのと、
キャンペーン中にもらえるステンドグラスしおり
4種を全て集めたいために始めていました。

一か月と2週間が過ぎて、手に取って読む
気になったのが、今回紹介する「檸檬」です。

著者とタイトルは、
中学3年の高校受験勉強のために、
塾の国語の授業で文学史を習った際に
知りました。

果物のレモンを漢字で表記されたタイトルが
印象的でしたが、当時は受験に合格できれば
良かったために、作品の内容まで見ようとは
思わなかったです。

それから20年以上経って、
今年夏の新潮文庫フェアの対象作品となっていたことをキッカケに、手にとって読んでみたく
なったのです。


作者は梶井基次郎。
1901年から1932年と、31歳という若さで
肺結核亡くなった作家です。

現代の医療ならば肺結核の治療薬が充実し、
治療法が確立されているため、
肺結核で亡くなることは少ないでしょう。
ですが、当時はそうではなかったために、
結核🟰余命が短い、という印象です。


「檸檬」というタイトルの文庫には、
檸檬を含めて20の短編作品で構成されて
います。それを順に読んでいると、
作品によっては主人公の名前を変えてはいますが、梶井氏本人が自らの病気の進行を小説を
介して語っているように思えます。

また作品によっては、
両親と兄弟、友人や知人を登場させて梶井氏の
人生を振り返っていたり、

病気の進行に伴う陰鬱した気分を
自然の変化と動物の行動、檸檬の感触と色の
鮮やかさで紛らしているのが読み取れます。

各章の最後には作成年月日が記載されている
ことから、その当時に書いた日記、又は、
その時に見た景色や頭に浮かんだ思い出を
記していると見受けられます。


何かの本で、読書とは作者との対話、だと
主張しているのを読んだことがあります。

「檸檬」を読んでいると梶井氏の思想や心境を
知ることができるから、
その過程で納得できること、自分はこう思う、
といったのが頭に浮かんできます。

なるほど、
こういう過程が作者との対話なのだろうと
分かってきました。

これから他の文学作品を読んでいくと
本当の意味で著者と対話できるように
なれそうです。

終☺️

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