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HSPの「深く考える」とはどの程度か(29歳男性の場合)

HSP(Highly Sensitive Person:ひといちばい敏感な人)は、必ず「DOES」と言われる4つの特性を持っていると言われています。

この「DOES」とはそれぞれ特性の英文から取られた4文字なのですが、このうち「D」は「Depth of processing」の頭文字で、これは直訳すると「深く考える」という意味をあらわしています。

HSPの人は、その深い思考でものすごく洞察力のある発言をすることもあれば、考えすぎて要領が悪くなり「動きが緩慢だ」と言われることもしばしばあります。こう書くと、「深く考える」というのはどこまで深く考えているのか見えてこない部分もあります。

というわけで、HSPである僕(29歳男性)が日常的に「深く考える」3つのシチュエーションを整理してみました。

その1:昼食を選ぶ

もうね、これだけでめちゃくちゃ考えるんです。

たとえばコンビニ。まず自分の気分や空腹感と相談しなければなりません。パンがいいのか麺類がいいのか、それとも弁当なのか。さらに、昼の食事を選ぶにあたっては「このあとの予定」というものも考慮しなければなりません。18時まで仕事しなきゃいけないのなら、そこまでなるべく空腹にならないような食事を取る必要があります。逆に16時とかで仕事を終える日はそのぶん軽食を取れる時間も前倒しできるので、この時点で昼食のチョイスも大きく変わってくるわけです。

すでにここだけで相当な時間と脳のエネルギーを使っています。断っておきますが、この時点でまだ何を食べるのかまったく決まっていません。

で、パンにしようと思い立ったら、今度は何のパンがいいかという話になってきます。重たいものは避けたいからカレーパンは違う、ひとつはたまごサンドにするとしてもうひとつは何にしようか。甘いもの?しょっぱい系??食パンみたいなやつ???それともフランスパン????

そしてここで「予算」というものを忘れちゃいけません。たまごサンドは110円、ミルクフランスも同じ金額、あと130円くらいでなにかひとつパンを・・・と、想定した値段内で収めるようにするのにも深く考えます。さらに電子マネーの残高が少ない場合だと、「これを買うとチャージが必要だな」ということまで気にしなければなりません。

僕にとって「何も考えずに昼食を買う」というのは、こういうことなのです。退店するころには、なんだか頭をものすごく使う仕事を終えたようなそういう疲労感に襲われることもしばしばです。

もちろん、「今日は冷やし中華の気分!」であれば迷わずに済むのですが、だからといって冷やし中華がその店で売り切れていたら話は別です。冷やしラーメンにするのかうどんにするのか、もしくはまったく別のものにするのか。その店に置かれている冷たい麺類が気分じゃないときは、コンビニをハシゴしてまで冷やし中華を探し出すこともあります。

ちなみにこれでは時間も労力ももったいないと、前の職場にいたときは弁当持参で出勤していました。

その2:定期券を買う

いまの職場は非常勤契約なので、逆に言えば毎日出勤する必要がありません。ただだからといって行く回数が少ないわけでもなく、必ず週3日は出勤しています。

ここで出てくるのが交通費の問題です。

これが結構微妙なラインで、週1とかなら回数券で済むし週5なら迷わず定期券になるんですが、週3だと細かく計算したら実は定期のほうがお得だった、ということもあります。もちろん職場から交通費はいただいているのですが、少し身銭を切って定期券を買っちゃったほうがいろいろと融通が利くような気もしてきました(もうこの時点ですでに深く考えている)。

そこからひたすら運賃検索とにらめっこする時間のスタートです。

自宅最寄りをA駅、職場最寄りをC駅として、まずは正規運賃と回数券の金額、さらに定期代を確認する。それを踏まえてじゃあ仮に定期を買うとしたら何往復すると元が取れるのか?どれくらいの往復なら回数券で十分なのか?を計算する。ここまではまあほかの人もやってそうですが、僕はさらに「途中下車する可能性」というものをついつい頭に入れてしまいます。

A駅とC駅の間にある乗換駅のB駅でいろいろ下車する用事があったり、C駅まで行かなくともB駅まで頻繁に利用するのであれば、A駅→B駅だけの定期を作るのもアリなのではないか。ちょっと往復の頻度が落ちるB駅→C駅までは回数券で問題ないか?いや、B駅→C駅の間にあるD駅は別の仕事でよく降りるし、隣のE駅には大きな商業施設がある・・・。

そんなことまで考えるといよいよ計算も考えるのも面倒になってきます。ちなみに僕は算数や数学が子どものころから大の苦手でした。でも損得はキッチリしておきたい性格上、こういうことは深く深く深く悩んで考えて買うようにしています。今回は定期代を例に取りましたが、これに限らず電化製品など、たとえ長期的に見れば安い買い物であっても一度に10万円は飛ぶとなればかなり慎重にシミュレーションして、ひと月の給料の大半を吹っ飛ばしても本当に買うべきかどうかをじっくり考えます。

ちなみにこのときは結局定期券を購入したのですが、駅で定期購入申込みの書類を記入している時点でもう考えすぎて頭が回っていなかったのはここだけの話です。

その3:野球選手の使い方

深く考えるのは何も決断するときだけじゃありません。野球を観ているときもたびたび深く考えています。

たとえば今日、応援している千葉ロッテマリーンズと読売ジャイアンツの間でトレードが成立して、新人王やセーブ王の実績がある澤村がロッテにやってくることになりました。ぶっちゃけ驚きです。まあそれは置いといて、「なぜ澤村がロッテに?」という点に関して深く考えて書いたのが上記のツイートです。

ほかにも、なんでこの選手を使ったのか?あまり数字が良くないのになんでこの場面でこの選手を行かせたのか?みたいなことをよく考えてTwitterに発散しています。これもひとつの「深く考える」ってことだと思っています。

まとめ:深く考えるゆえに失敗することもある

正直な話、「深く考える」ことはそれなりのパワーと頭を使います。しかも深く考えたからそれが正解というわけではありません。先日も深く考えて行動した結果逆に叱られてしまうという結果が待っていて、非常に凹んだことがありました。しかもこういうときに深く考えると、とことん余計なことまで反省してしまって悪循環に陥ることも決して珍しくありません。

あらゆる物事を自分ごとと捉え、別に考えなくていいようなところにまで深い考えを及ぼすことは本当に日常茶飯事です。だから疲れるんだし割り切って考えられるようにしたほうがいいような気もしなくもないですが、こうして深く考えたことで身を助けたことも何度もあったので、たぶんこの癖は一生抜けないのでしょう。

「深く考える」ことを「深く考えた」結果、3000文字弱も書いてしまいました。長々お読みいただきありがとうございました。これを読んだ上で「深く考える」という性格がどんなものか少しでも理解してもらえたのならこれほどの喜びはありません。

(9/10 19:11 追記)
この記事を読んでいただいた感想から、さらに補足記事を書きました。2000文字あります。これが「深く考える」ということです。


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