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「『捨てる』思考法」を読んで

この本は、立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明さんが書いた本である。

出口治明さんがなぜAPUの学長をすることになったのか、また「捨てる」という思考をどのようにして日常に取り組んでいくのかが書かれていた。



その中で、今の自分が考えていたことと似通っていたものをピックアップして書こうと思う。







・「才能と個性を潰す、いい人の5つの要素」の話



本文において、このような内容があった。

「次のような若手の社員を、皆さんはどう思われますか?

①偏差値がそこそこ高い ②素直である③我慢強い ④協調性がある ⑤ 上司の言うことをよく聞く」

このような人材は、我々からするととても重宝する人材だろう。しかし「いい子」からイノベーションは生じないと語る。

むしろ我々が扱いづらい「尖った」人材がイノベーションには必要なのだ。

教室でいうところの、「問題児」が「尖った」人材にあたるのではないだろうか。我々はそれを「いい子」に矯正しようとしてしまう。その塩梅は難しいが、「問題児」と定義して扱うことそのものもが問題であると考える。

もっと「尖った」人材を我々の手で増やしていこう。少なくとも減らす・矯正するようなことはないようにしたい。





・コンフォートゾーンから脱することでイノベーションがもたらされる

コンフォートゾーンとは、安全地帯だ。そこにいれば安心安全で、心身ともに安寧が保たれる。しかしコンフォートゾーンに永住しても成長はない。人間は本能的に安定を求める。しかしそれではイノベーションは起こらない。常に挑戦し、コンフォートゾーンを脱することが求められるのだ。失敗を恐れさせる社会においてその行動そのものが勇気のいることだが、イノベーションは失敗と隣り合わせであることは事実であるし、失敗したって死ぬわけじゃない。どんどん挑戦すればいい。



今を生きる若手が、挑戦を臆するのはなぜなんだろうか。私は挑戦する機会があまり与えられなかったからだと考えている。また、失敗を許容される環境にいなかったようにも思える。

挑戦回数が少なく、かつ失敗したら何かしらのペナルティが課せられる環境で過ごしていたら、誰でも挑戦する気がなくなるのは明白だろう。コンフォートゾーンに居たくなる気持ちが強まるのも納得できよう。

大人が子どもに与える影響は大きすぎる。我々の身の振り方をもう一度考え直してみないか?





・インプットよりアウトプット

これは、先輩教員にも言われたことだ。このブログも自分の成長のためにアウトプットの一環として行なっている。

先輩教員に、「20代の頃にこれはしておいた方が良かったなと思うことは何ですか?」と聞いた時に言われたことがアウトプットをすることであった。

人に伝える、教えるということは自分の理解度を圧倒的に向上させる。ラーニング・ピラミッドにもそのように定義されているが、自分から発信したことはなかなか忘れない。個人的には忘却の思考回路にはアウトプットはおらず、永続的に脳に残っている気がする。書いたものや発表したものは鮮明に残っているものだ。





・「新しい」ことは意外性のコラボレーションだ

イノベーションを産むにはどうすればいいのか。尖った人材がイノベーションを起こしやすいことは前述した。しかし凡人でもイノベーションは起こせるはずだ。

最も重要なことは、「意外×意外×意外」を心がけることだ。普段なら絶対に組み合わせることのない組み合わせを思案することによって、思わぬイノベーションが起こる。





・選り好みせず、まずはのっかってみる

最後はこれだ。何事もやる前から「意味がない」などと決めつける人が多いが、それは本当に勿体無い。自分に舞い込んだ可能性を自ら潰す必要なんて全くないのだ。損得勘定で動いてはならない。損得勘定で動くと損をするのは自分だけだ。得になることなんてほとんどないから。

飲み会も、くだらないセミナーも、最初の10分だけでも参加したらいい。面白くなかったり価値を感じなかったら体調不良を訴えて帰ればいい。実際に行ってみて、退屈だったと知ることが大切なのだ。それは経験による判断だから。机上の空論で決めつけてはいけない。それは自分の判断基準ではなくネットの誰かの判断基準に乗っかっているだけだったり、未熟な判断基準だったりする。

そういう経験のない人間に、イノベーションは起こらない。なぜなら思考がとんでもなく閉鎖的で「意外性」や「尖ったこと」などが大嫌いな思考回路に陥るからだ。



我々には柔軟な思考回路が必要だ。尖った人材を受け入れる心や、意外なイノベーションを受け入れる度量だ。

心を武装してしまうと、コンフォートゾーンからは抜け出せない。武器を捨ててゼロから自分を構築してみよう。それがイノベーションを起こすための第一歩だ。



「捨てる」思考法 結果を出す81の教え

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