見出し画像

人体大全を読んで

 最近、ずっと気になっていた人体について知りたいと思いhonzで検索していたところ、人体大全という本を見つけました。

 私は、ある程度自由に体を動かすことができます。立つことや歩くことができるロボットを作ろうと思うととてつもない技術が必要になります。しかし、人間はいとも簡単にこれらの動作を行うことができます。

 また、中田さんが授業でやっていた「空腹こそ最強のクスリ」でも、一日一食が体の負担を軽減し、健康に良いと紹介されていました。私達は、口に食べ物を放り込んでから、意識しなくても体が消化作業を行ってくれます。なぜ、これらの作業を行うことができるのか知りたいと思い本書を読み始めました。

 半分程読み進めて気付いたことは、一般的に言われている科学的に聞こえるようなことは、根拠の無いことがあまりにも多く、体についてはほとんど何もわかっていないというのが正しいということです。

 例えば、なぜ、指紋があるのか?
 これに対して、本書では様々な説が書かれていますが、それぞれにそれっぽい内容が記載されており、その説を唱えた人は、皆自分の説が正しいと主張しています。

 しかし、実際には、一つの事柄に対して複数の解釈が成り立ち、そのどれも正解とは言えないまでも不正解とも言えないケースが多数あります。

 本書を読み始める前は、人体について理解を深めたいと思っていましたが、むしろ以前よりもわからない事が増えたように思います。(正確には、知らないことがわかったと言えます。)

 本書を通して、現実では何か確実な答えを求めるよりも、何が正解か言い切れない不確実な状況でも地球上の70億人はそれなりに生活を営めている事実がわかりました。

 正解を知りたいと思い、視野狭窄で不安になってしまいがちな自分にとっては、人体の仕組みを知ることと同時に、不確定な状況でもある程度物事は進んで行くのではないかという安心感を与えてくれるような意味を持ちました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?