アナログなエフェクト表現【Indifference】映像制作の裏側
bird and insectのDirector/Editorの主馬です
自分の備忘録も兼ねてnoteに記事として残していこうかと思いまして
引き続き以前制作した【Indifference】というショートフィルムについて
水中撮影編に続いて特殊効果編です
アナログな過程から生まれるなエフェクト表現
「この水みたいに揺れるエフェクトはどうやって作っているんだ」と
何人かの人が質問してくれましたがこれは本物の水です
ただ撮影時に前ボケみたいに入れているわけではなく
編集がフィックスしてから再度水越しに撮影をして加えています
こーゆうことです
水が揺れるときに画が反射して歪んだりするんですね
でこの素材をまたタイムラインに置いて描画モードや透明度を調整します
全部にかけるよりはマスクをきって上だけとか顔にだけとか部分的にかけたほうがより面白いルックになっていくのでおすすめです
アナログな表現との出会い
数年前Motion Plus Design Tokyoという映像のイベントに参加しました
Trailerからもわかると思いますが、まじでかっこいいタイトルシーケンスとCGを制作している海外のモーションデザイナーの方々が登壇してました
そこでクリエイターがプロジェクトや制作のプロセスとか語ってくれたんですけど、もちろんデジタルで作るのは当たり前ですが何人かの人はそれにプラスしてプロジェクターやモニターに投影したものを読み込み直して使ったり、実際の光を使用したりっていう結構アナログなプロセスを経て作ってるってのが眼から鱗で、こういう表現を僕も取り入れたいと思いました
アナログでも作れる見たことのない世界観
エフェクトとは違うかもだけど撮影でもCGとか使わずに
身近なものだけで面白い世界観を作ることもできる
下の映像はほんとに身近なもので作れるけど結構面白い画が生まれた
ピアノのPVのために撮った映像で使用したものですがまずはご覧あれ
これは何でできてるかというと牛乳、水性絵具、食用油そして食器用洗剤
家庭にあるものとマクロレンズがあれば簡単に撮影できるし意外と楽しい
自粛期間の今でもできる撮影なのでお試しあれ
このキラキラはラメパウダーでいけるかと思ったけどあれは意外と粒が大きくて水性絵具のシルバーとかゴールドを使うとうまくいきます
これは細胞というか生命みたいなのを表現したかったんだけど
そういう時に食用油を混ぜると良い感じに分離してそれっぽくなった
映像だけじゃない アナログな表現
このアナログな表現はなんかなんともいえない味を出してくれて
大体いいなーって思うロゴやグラフィックデザインもこういう工程を経ていのが多い、完全な手書きではないけどデジタルでもないやつ
そういうのは何回かプリンターに通してわざと劣化させたりしてるらしい
探していたらすごくいい記事があった!ずっと求めていたのはこれだ!
フィルムスキャンするだけでも
最近で言うとポカリスエットのCMはフィルムスキャンをしているらしい
今回制作した「Indifference」もフィルムルックを目指していて
16mmフィルムのような雰囲気を可能な限り再現してみてはいるが
やはりリアルには勝てないって思った
フィルムスキャンを試してみようとなりました。
フィルムスキャンというのは、デジタルの映像データを一枚(フレーム)ずつ35mmのアナログフィルムに撮影し直すということです。あの映像を美しいと感じた方がいらっしゃったら、それはフィルムだからなんです。35mmフィルム独特の滲みや、粒子の質感が、どこかノスタルジックな雰囲気を与えてます。
こういうアナログな工程を一回挟むと人の心に残るものになるような
なんとも言えない空気感ができるような そんな気がしています
これからもアナログな表現の可能性を模索したい そう思います
【Indifference】
Cast _ Go Okamoto / Sawako Hayashi
Image Director _ shuntaro
Director/Editor _ Shuma
Cinematographer _ Daisuke Abe
Sound Mixer/Designer _ Takahiro Nomiya
Hair & Make-up _ Yuma Sagisaka
Title Design _ Ruri Hosokawa
[Underwater Unit]
Camera Operator _ Kousaku Hoshino
Diver _ Yoichi Sugiyama/Kohei Kuwamori
Supervisor _ Tomohide Ikeya
Special Thanks _ Nami Matsumoto / Taichi Nagaoka / Ryusuke Honda / Tomonao Sakurayashiki / Mao Yashiro
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