見出し画像

読書レポート#1 『必ずできる、もっとできる』

こんにちは!
ラグビーと読書が大好きな社会人の shamrock☘ です。

アイルランドラグビーについての投稿、たくさんの方に読んでいただきまして、ありがとうございました。
次の投稿についても作成中なのですが、いざ書き始めると昔の試合を遡って観たり、選手の背景を調べたりなど、1つの投稿に時間がかかってしまいそうです…
W杯に向けて少しずつ投稿していきますので、気長にお待ちください💦

今回は、もう一つの趣味である読書について、紹介したいと思います。
色々な価値観に触れたいなと思い、昨年から意識的に本を読むようになりました。(大学4年生で暇だったのもあるのですが…)
最初は少し義務的に始めたところもあったのですが、次第に本屋に通うようになり、気づいたら趣味になっていました。

本を読むにあたって、いつもやっているのが 筆者の言葉大切にしている言葉 をメモすることです。
大切にしている言葉には、その人の考え方や価値観、これまでの人生経験など、様々なものが込められています。
だから、就活や自己紹介で「座右の銘は何ですか?」って聞かれるんだと思います。
「読書レポート」では、筆者の考え方や大切にしている言葉について、私の感想も踏まえて書いていこうと思います。
あらすじを書くことはありませんが、ややネタバレを含みますので、ご了承ください。


『必ずできる、もっとできる』

大八木弘明 駒澤大学陸上競技部監督 の著書で、2023年に出版されたばかりの本です。駅伝の名門・駒澤大学が低迷していた間、その背景で大八木監督は何を思い、どんな変化があったのか。この1冊を読めば、みなさんも大八木監督のことを好きになります!!是非、手に取っていただきたいです。

「信念とは持つものではなく、貫くもの」

京セラの創始者であり、大八木監督も尊敬する、故・稲森和夫さんが掲げていた思想です。
大八木監督は稲森さんの著書を読んでいるそうなので、度々稲森さんの思想が登場します。

この思想で重要なことは、大きく3つ!
・安定思考は停滞
  →「このままでいい」「これくらいでいい」では、創造的な仕事ができない
・諦めずに試練を受け止める
  →新しいことに挑戦すると反対意見や多くの試練が出てくるが、すぐに諦めずに真正面から受け止めることが大切
・自身を変える勇気を持つ
  →自らの信念を強く持ったうえで、乗り越え方を柔軟に考える

一見、「自身を変える = 信念を曲げる」ように見えてしまいます。
しかし、自身の根底にある考え方(信念)を強く持っていれば、間違った方向に進むことはありません。
土台がしっかりしていれば、建てた家は長持ちします。
土台がしっかりしている会社は、長続きします。
土台がしっかりしていれば、大崩れすることはありません。
土台である強い信念があるからこそ、柔軟な対応ができるのです。
信念とは、一時的に持つものではなく、常にその人の根底にある (貫く) もので、頑固・固執とは区別しなければなりません。

感想
私が尊敬する指導者は、まさに変化を恐れない方でした。
 上手くいっている時ほど、「このままだとヤバいな」と。
 人一倍勉強していたのに、生徒からの反対意見には真摯に向き合う。
 各世代の特徴に合わせて、接し方を変えていく。
当時の私は、「この人には何が見えているんだろう?」と思っていました。
変化を恐れないが故、成功以上に失敗もありましたが、「生徒を第一に考える」という信念だけは揺らいでいなかったです。
学生スポーツ特有の古い体質が頻繁にニュースで報道されている昨今、時代の変化とともに成長できる指導者が求められていると感じました。


「思考と行動は同時進行」

限られた時間の中で目標を達成するためには、挑戦を続けるべきである、という言葉です。

大八木監督が大切にする言葉として、夢実現応援歌・藤由達蔵氏の著書から2つが挙げられています。
 「人生には成功と失敗があるのではなく、成功と成長があるのだ」
  ・・・ 挑戦して、失敗しないと成長に繋がらない
 「時間は有限であり、打つ手は無限」
  ・・・ 時間は限られているため、打てるだけ手を打つべき

一般的に、挑戦することが怖いと考える人は、失敗が怖いと考えています。
つまり、失敗することをリスクと考えています。
しかし、失敗せずに成長できる人などいません。
「いかに早く失敗できるか」が成長の鍵なのです。
失敗するためには、挑戦の数を増やす必要があります。
挑戦の数を増やすためには、迷っている暇などありません。
思考と行動を同時進行で行うことで、成功と成長が得られるというのです。

感想
昨年は、小学生・中学生・高校生・大学生にラグビーを指導しました。
技術や身体的な能力は、学年が上がるにつれて高いと感じました。
しかし、小中学生の方が成長スピードが速いのです。
その差は何なのか?
ズバリ、失敗する勇気です。
合ってるか間違ってるかではなく、やりたいかどうか
学年が上がるにつれて羞恥心やミスできないという気持ちが強くなります。
それでも、失敗する勇気があるからこそ、すぐに行動することができ、行動するからこそ、失敗(=成長)することができると実感しました。


「男だろ!」→「お前ならもっとできるぞ、やれるぞ」

この本では、上に立つ者の在り方や指導者としての振る舞いについて、大八木監督の考えが書かれています。
 「男だろ!!」
大八木監督と言えば、監督車からの叱咤激励で有名です。
しかし、最近話題になったのが、あの大八木監督が怒らないことです。
 「お前ならできるぞ、やれるぞ」
叱咤激励どころか、選手を褒めることでモチベーションを高めていました。
この心境の変化は何なのか?
これが、この本の核心です。
気になる方は是非、読んでいただきたいです。

感想
昨年までのラグビー指導で感じたことを少しだけお話します。
「最近の子は怒られ慣れていない」
この言葉を初めて聞いたとき、その通りだと思いました。
小学生からスマホを持っていて、検索すれば分からないことはない。
それ故に、全員が模範解答を知っています。
だから、悪いことをして怒られても、模範解答を言って逃げてしまいます。
また、SNSの発達によって、悪戯が狡猾になってきています。
「最近の子は真面目でおとなしい」と言われたことがありますが、ついこの前まで学生だった私からすると、バレないところで悪さをしたり、影口を言ったり、以前は目に見えた悪さを大人が追えなくなったのだと感じます。
「あの子は真面目だよね」と言われる子の裏垢が荒れているなんて、よく聞く話です。
では、現代の子が「この人のために頑張ろう」と思うのはどんな時か?
私は、自分を信じてくれた時だと思います。
共働きや部活動の地域移行によって、自分を見てくれる存在が減り、暖かい居場所を求めている子供が増えていると感じました。
現代の子にとって、大八木監督のような声掛けは凄く響くと思いました。


おわりに

私は、幼稚園の頃から「正月は餅を食べながら駅伝!」という年始を過ごしてきました。
1年生で1区区間賞をとり、陸上界を引っ張ってきた大迫傑選手に憧れて、毎晩4kmほど走っていた時期もありました笑
なので、大八木監督のことはもちろん、箱根駅伝の後に毎年放送される「もうひとつの箱根駅伝」にて、「男だろ!」の叱咤激励も観ていました。
少し暑苦しいなと思う反面、駅伝ってこんなに熱くなれるんだと驚いた覚えがあります。
だからこそ、大八木監督の変化には少し寂しさを感じていました。
ただ、この本を読んで、大八木監督の思いや背景を知ることで、もっと応援したいと思いました。
残念ながら、監督の座は退かれたとのことですが、引き続き指導は続けられるそうなので、大八木監督の教え子が世界に羽ばたく姿を楽しみにしたいと思います。
ありがとうございました。

shamrock☘

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?