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#174 一番下からの景色(井奈波秀真/4年)


日頃から筑波大学蹴球部へのご支援・ご声援ありがとうございます。

はじめまして、筑波大学蹴球部4年の井奈波秀真です。

プロサッカー選手になる目標を持たない私が、なぜ大学でもサッカーを4年間続けたのか、そしてこの4年間でどんな経験をしたのか、このブログにまとめたので、読んでいただけると幸いです。

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私は入部してから4年間、一番下のカテゴリーである6軍に所属していた。その中でもレギュラーでもなければ、公式戦のメンバーに常に入るといった選手でもない。4年間で公式戦に出場した合計時間はおよそ90分である。相対的に見て一番下に位置することは分かるだろう。同期や後輩が活躍して上のカテゴリーに昇格する姿を見たり、チームが中々勝てない状況の時に力になれていない無力感を感じたりと、悔しい思いを何度もしてきた。サッカーをプレーするやる気が出なかったこともあるし、サッカーが嫌いと思うこともあった。こういった負の側面しかなかったのか、と問われるとそれは否である。

筑波大学蹴球部に入部したことを私は全く後悔していない。むしろここで学んだことは非常に多く、ここでしか経験できないことを多く経験させてもらえることができた。その中から何点か書こうと思う。

一つ目に、最後まで諦めずやり切ることの重要さに気付かされたこと。先述したように、私はこの4年間で公式戦に90分しか出場できなかった。試合メンバーの20人に入ることも少なく、先発出場した試合もない。このような状況で迎えた先日のIリーグ最終戦。今シーズンでメンバーに入った試合はたった2試合の自分をメンバーに入れてくれ、さらには数分だけですが大応援団のいる一グラのピッチに立たせてもらえた。試合に出場できないという理由で選手を辞めるという選択をせず、最後まで続けたからこそピッチに立つことができたと思っている。

二つ目に、組織に所属するだけでは成長はないということ。蹴球部に入部する前、私はここに入れば組織が成長させてくれると思っていた。しかし実際はそうではなく、小井土監督に言われた通りだった。自分から成長する意欲、変わろうとする意識を持ってアクションを起こさなければ、現状からの変化・成長はない。選手としての成長は、目に見える結果としては残らなかった。他のひとよりも基準が低かったからこそ先述のように90分といった出場時間に繋がったのだろう。しかし、選手という側面以外で、審判と指導者という側面では成長を見られたと思う。一年生の時から関東リーグやアミノバイタルカップといったトップカテゴリーの副審、Iリーグの主審を多くの機会でやり、その中で多くの人と関わり、その中から多くの学びをすることができた。また、指導者としても少年サッカーの練習・試合に多く参加し、今まで選手としての視点しか見てこなかったサッカーを指導者の視点で見ることでサッカーの理解度を深めることもできた。成長できたこの2点は筑波大学蹴球部に所属し、その中で自らチャンスを掴んだからこそ成長できたと思う。

最後の三つ目に、サッカーが大好きであるということに気付かされたこと。サッカーが大好きでなかったら4年間も部活を続けることは出来なかったであろう。選手活動を辞めたいと思った時に、トップチームをはじめとした他カテゴリーの選手たちのプレーや試合の観戦・応援したり、少年サッカーの指導やその中での子どもたちとの交流をしたりする中で、サッカー自体から離れようと思ったことは一度もなく、サッカーは自分の生活の一部となっていた。選手を引退した今、応援・指導・観戦の面で今後サッカーに携わっていくつもりだ。

最後に。一番下からの景色を見続けた苦しい4年間であったが、最後までやり切ったからこそ、経験したものをこうして文章にし、人に読んでもらえる機会を設けてもらえた。蹴球部活動を通して関わったすべての人に感謝したいし、その中で学んだことを活かして今後サッカーに携わり、誰かの助けになりたい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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今後とも筑波大学蹴球部へのご支援・ご声援のほど何卒よろしくお願いいたします。



筑波大学蹴球部

人文・文化学群 4年

井奈波秀真

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