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#197 余白(奥垣陽斗/4年)

フレッシュマンコースが終わり筑波大学蹴球部に入部してから682日が経過。

筑波大学蹴球部での生活が終わるまで最長で223日。

いつからか蹴球部生活の終わりまでのカウントダウンを始めた。

その時に頭に浮かぶのは

「繋ぐ」

という言葉。




筑波大学蹴球部4年 奥垣 陽斗です。
今回伝えたいのは自分自身の想いのみなので自己紹介は割愛させていただきます。

今年はトップチームのチーフトレーナーとして携わりつつ、またフレッシュマンコースの副ヘッドとして活動しております。
上記二つの役職を全うしつつも、個人的には2つの目標があります。

「部内の潤滑油になること」  
「5年後に残るシステムを残すこと」

目標設定に関しては説明すると長くなるので、今シーズンを振り返る際にも別の形で発信できればと思います。
ただ今年自分はこの想いを持って行動するということを改めて宣言します。


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さて、今回、ブログに残したい・少しでも多くの部内外の人に伝えたい内容ですが、正直かなり悩みました。

フレッシュマンコース(以下、FMコース)について触れたい想いはありつつも
・FMコースが終わっていないこと、
・ヘッドの森田雄大のブログがまだ出ていないことを考慮して
(彼がFMコースへの強い想いを書いてくれると信じて笑)
自分の口からFMコースについては多くは語らないようにします。
ただ3年間関わった活動だからこそ、思い入れもありますし蹴球部が誇るべき、素晴らしくも未完成な活動の一つだと感じます。

自分の蹴球部でのメインの活動になる
トレーナー活動に関して書くことも考えましたが、より多くの蹴球部員や、
蹴球部に関わる多くの方に届けたい想いを考えた時に浮かんだ内容は違いました。



だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。


今読んでいる皆さん、多くは蹴球部員、もしくは同年代に近い大学生でしょうか
一つ質問です。



「それって効果的?」



上記の疑問を部内で感じた例を二つ挙げます。

自分たちが入部した2021年はコロナの影響が残っているシーズンでした。
コロナにより多くのイベントが中止もしくは、制限されていました。
その中で、対面形式ではなくオンライン形式によるミーティングの流れが加速し、ミーティングといえばオンラインでした。
距離を確保した状態で、大人数が集まることができるので便利だなと感じていました。

しかし果たしてそれは良い流れなのでしょうか?

もちろん、オンライン形式にメリットがあることは承知です。
ただミーティングの目的を振り返った時に、意見のすり合わせを行い
より良い答えを導き出せるのは対面形式とオンライン形式とどちらなのでしょうか。



もう一つの例です。
蹴球部には多大なるご支援をしてくださるスポンサーの方々がいらっしゃいます。
多くはつくば市にゆかりのある企業であり、蹴球部の関係者がいらっしゃる企業です。
もちろん、様々なご縁があり、同じ方向を向いて共に闘いたいという想いがあり蹴球部をご支援いただいています。
そのスポンサー活動の方針に関しても、議論が上がったことがあります。

「より多くの金額を出していただける企業を優先的にスポンサーとして選ばさせていただくのはどうか」

もちろん、今までのスポンサーの方との関係性を大事にしたいという想いがありつつも
資金力を優先することも”大学サッカーを牽引し続ける”ために必要な選択なのかもしれません。
蹴球部として使える金額が大きいと、実施できるイベントや活動の大きさや幅も広がります。
大学部活動にとって最も困難な壁の一つである資金の問題を解決できる可能性があるからです。



こういった二つの例になりますが、自分は「効率的」だなと感じました。少し寂しさを感じたのも事実です。
しかし、効率的なことが悪だとは思いません。
そこから生まれるメリットで得られるものもあるので‥‥

筑波大学蹴球部から少し離れて世間を見た時にも、効率性を求める流れというのは日常といっても過言でもないでしょう。
何日もかけて人力で届けていた手紙も、今では携帯一つ、数秒で相手に想いを伝えることができます。


さて話を蹴球部に話を戻します。
ここで重要なのは、我々、蹴球部が重要視している価値観です。
部内向けに言葉を添えますが、この価値観という言葉は”value”とは別のものを指します。
細かく見れば、毎年、話し合いを重ね導き出す”slogan”や、筑波大学蹴球部が持つフィロソフィーなどに相当するものでしょう。

我々の行動はすべてそこに通ずるべきであり、それらに反する行動は蹴球部員として相応しくないとみなされます。
そこに関しては部員の皆さんも同意していただけると思います。


そこで先ほどの「効率的」の話に戻ると、


蹴球部が掲げる価値観に対して、我々が取る行動が「効果的」かどうか


が重要なのではないかという話です。

ミーティングの例で言うと、オンライン形式でミーティングを開く方が「効率的」かもしれませんが、
より良い結論を導き出すためには、顔を合わせて白熱した議論を交わした方が「効果的」なのかもしれません。
もちろん、二者択一という話ではないので、効率的であり効果的である可能性はあります。


しかし、自分が危惧しているのは効率性を求めた結果、得られる効果を逃してしまうことです。


さらにより個人的な感情を含めて話を進めると、

多少効率が悪くても、時間をかけて対面で話し合いをする方が

答えを教えるよりも、あえてぶつからせ、答えを考えさせる方が

試行錯誤をして何度か失敗をした方が


この筑波大学蹴球部という組織、それを構成する一部員にとっては「効果的」な価値を生み出してくれると思います。


それは、我々、蹴球部には多くの余白があり、発展途上な学生によって構成されている未完成な集団だからです。


この組織は企業ではないので金銭的な利益は何も生まれません。

では何が利益として得られるのか
それは”人としての”成長でしょう。

発展途上な自分たちの余白がどういう風に変化するか、
その過程こそがこの蹴球部で得られる最も価値の高い
“人としての”成長だと自分は考えます。

大事だと思うのでもう一度書きます。
その過程こそが重要なのです。

組織としての余白である、未完成さは
所属する部員の考え成長する機会として用いられていると思います。
そのために蹴球部活動において効率性は不要だと、自分個人としては思います。

学生だからこその、失敗できる環境です。大きく大きく、何度でも変われる環境です。失敗を補ってくれる仲間のいる環境です。





だからこそ、今一度問いたいです。



「それって効果的? もっと効果的な失敗してもええやん」



おそらく多くの組織で求められるのは効率性でしょう。
より短時間で、より低コストで、より利益を求めること。
もちろん大切な考えでしょう。

ただ自分たちが所属する筑波大学蹴球部では「効果的」であってほしいなと思います。



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先月、部員全員が集まるミーティングの場で、今シーズンの1/3がすでに終わってしまったという話がありました。
冒頭でも書いた通り、自分に残された“筑波大学蹴球部”のシーズンは1/4だけです。

自分が感じた感情や、学んだ経験を繋ぐことが出来るのは残り1/4。

筑波大学蹴球部のために、多大なるご支援をしてくださるスポンサー企業の皆さん、つくば市近辺の飲食店の皆さんがいらっしゃいます。
部を想って、時間や労力を惜しまず働いてくれる部員がたくさんいます。
応援してくれる全ての人のために、筑波大学蹴球部は高みを目指し続けます。

その責任があります。

自分はその字面だけでは伝わらない想いを、これからこの部を作る「彼ら」に「繋ぐ」という役割を果たそうと思います。




最後になりましたがここまで長くて脈絡のない文章を読んでくださりありがとうございます。
またこの場をお借りして、これまで自分をご指導いただいた小井土先生を始めとする先生方、先輩の皆さん、同期のみんな、友だちの皆。
感謝申し上げます。誠にありがとうございます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
後輩の皆さん、もう少しついてきて下さい笑

繰り返しにはなりますが、応援してくれる全ての方のためにも、筑波大学蹴球部は高みを目指し続けます。
2024シーズンが終わる最後の日まで、そしてその先も、これからも続く
筑波大学蹴球部へのご支援、ご声援の程何卒宜しくお願いします。

筑波大学蹴球部

体育専門学群4年

奥垣 陽斗

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