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埼玉愛犬家連続殺人事件 - 共犯者 - 山崎永幸

事件の共犯者であるブルドッグのブリーダーの男が書いた手記。彼が4件の殺人に関わったのにわずか3年の懲役で塀の向こうから出てこられたのは、直接のコロシは行っておらず死体遺棄と運転を手伝っただけだったから。

主犯の関根元は「人殺しのオリンピックがあれば金メダルだ」と嘯いていたそうだが、本を読む限り誇張ではなく金メダル級の殺人者だ。もっと嗜虐性や残虐度の高いイカれた人間ならほかにもいるだろうが、(関根は毒殺メイン)トータルのぶっ壊れ方なら関根以上の鬼畜はそういないだろう。北九州監禁殺人事件の松永太とはまた違ったタイプの本物のサイコパスだ。  
作中何度も出てくる「ボディを透明にする」という言葉は、すなわち死体を処理して警察に物的証拠を与えず完全犯罪を目指すという関根元の殺人哲学をわかりやすく言いあらわしたもの。本当は一体何人殺しているのだろう?

事件以外にも初めてきくような情報があった。関根は日本で初めてシベリアンハスキーを仕入れたとか、この事件を担当した刑事は宮崎勤のヤマも追いかけていた人だとか、宮崎勤が撮影した幼女の死体動画は腕にはめていた時計が決め手になったなど……

関根は2017年に拘置所で病死。

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