見出し画像

ヒスイと白菜|本物のヒスイとは

故宮博物院(台湾)の「翠玉白菜」(白菜ヒスイ)
すばらしく見事なもので、実物を数回見たことがあります。
(もちろんガラス越しで)

緑と白の部分のコントラストが鮮やかで、
みずみずしく、とろみのある質感。
ちょっと石に詳しい方ならお察しの通り、
質といい研磨と彫刻の技術といい、ありえないレベル!
最高の宝物に相応しい翡翠です。

そんな上等な石にどうして白菜を彫る?!
と思ったので調べてみたら、
白菜と上に乗っている虫は、縁起のよいモチーフで
この翡翠はお妃様の嫁入り道具だったとのこと。



よく混同されるのですが、 翡翠(ジェイダイト)と
ネフライトは、まったく別の鉱物です。

【ジェイダイト(Jadeite):ヒスイ輝石】
いわゆるヒスイ。縄文時代の日本でも産出されていた。
「翠玉白菜」はジェイダイトで作られています。
緑色が濃く透明感のあるものは高価。

【ネフライト(Nephrite):透閃石】
ヒスイとよく似た緑の半透明な石。
ジェイダイトより硬度が低く、 古代より工芸品に利用されていた。
ヒスイの代用品として利用されているけど、質感がまったく違う。
産出量が多いので緑色が濃くても価格はこなれている。

それで、一般の方からよく聞かれるのが
「お土産でもらったブレスや根付けは本物のヒスイか」という件。

残念ですが、土産物屋さん等でヒスイとして売ってるものは、
ほぼ、ネフライトかクォーツシスト※を染めたもので
本物のヒスイじゃないです。
本物の翡翠(ジェイダイト)だったら桁が2つ以上違うので
お土産には高価すぎ。濃い緑色ならなおさらです。
白いものは安いこともありますが、一応ヒスイですのでそれなりのお値段します。
解ってて買う分にはいいんですけどね。
中には色や彫刻が素敵なものもあったりしますし。
でもちゃんとした本物が欲しいなら、ぜひ専門店で選んでくださいね。

※クォーツシスト → 石英の一種


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?