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引越★Introduction★ヅカと私と受験物語0.0

当noteはアタイの旧住所から過去記事を転送していくよ!

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こんにちは!どうもさぼりがちです…今日もご来訪ありがとうございます。

「ヅカ受験記事書けよ」というご意見を意外とたくさん後押しいただきまして(知り合い含め)、ありがとうございます。ヘア記事のような益のある話ができるとは思いませんが…

まず、今回はそのIntroductionをお送りします。

ある講演でもらった質問の話をします

やっと重い腰を上げるきっかけになったのは「早く書けよ」のお声ももちろんなのですが、呼んでいただいた10代の方向けの講演の聴講者さんからいただいた1つの質問でした。

その質問はある種わたしの人生のテーマといっていいような壮大なもので、答えを書いていくうちに、ああそうだ、このテーマのトリガーが【ヅカ受験】だったんだなと思ったので、あえてこのタイミングで紹介します。

せっかちなので、オチを先に紹介すると、わたしはこのシリーズで迷ってるならヅカ受けようぜ!ということを声高に伝えるつもりです。

 わたしは『金田一少年の事件簿』とか『浅見光彦シリーズ』をよく読むので、その見開きトビラ前の導入だと思ってもらえたら。

(個人的に一番好きな見開きトビラ前は、相変わらず『異人館村殺人事件』だったりする。あの白骨がおだ……っていう。オチ頃にはすっかり忘れてる系。)

ヅカファンには「犬養毅の大アンチエイジング」みたいなもんだと思ってもらえたら。

では、そんな感じで、ゆるりサッサと読んでいただけますよう、よろしくお願いします。 

センスとは何か

その若者からの質問とは次のようなものでした。

ファッションやヘアスタイルに対するセンスとは才能か、あとから勉強や努力でリカバリできるものか?
また、後者であれば、何をすればいいのか?

それに対して、私は次のように答えました。個人名は伏せながら、以下全文ほぼ引用でお送りです。(手抜きではない)

先天性と後天性とあいだ――装うセンスとは習慣の蓄積

興味深くお話を聞いてくれてありがとうございました。とても緊張しましたが、みなさんのおかげで楽しい時間を過ごすことができました。 

さて、ご質問の件ですが、これはとてもよい質問だと思います。

「センスとは何か」というのは、学問(大学の研究など)でも商業(美容師とか服飾とか)でも、携わる人間にとっては答えのない壮大なテーマの1つです。だから、ここでは私の経験に基づく意見としてお答えしますね。

まず、先天的なもの(才能)なのか、後天的なもの(勉強や努力)なのかの答えは、これはどちらのケースもあり、さらに《その中間》ということもいえるかなと思います。

たとえば、美容師やファッションデザイナーになる人たちの多くは、たぶん幼少期から同年代の他の子たちより「装うこと」に興味があって育ってきたケースがとても多いです。ご実家の稼業が美容やファッションに関連していたり、アーティストだったりすると影響を受けやすい。

これが、先述の《その中間》のケースです。

傍目には小さい頃からオシャレに見えて、他者(他のお友だち)からは「あの人はセンスがいいなあ」と生まれつきの才能のように見えるけど、実はそのセンスはたくさんのトライ&エラーを繰り返して「自分のスタイル」を確立していくことが多いと思います。

 

とはいえ、同じ家庭環境に生まれても、兄弟姉妹によってセンスにはバラつきがあるともいえるので、生まれ持った個体差があるという側面もあります。

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何もかもがゼロベースの頃のアタイ(1997年11月9日 宝塚大劇場前にて)

「蓄積がないわたし」は掘り下げるしかない

では「後者の場合、どのような勉強をしたらよいか」について。

センスの磨き方ということですね。これは特に、私には私の感じてきたことしかお答えができないのですが、ぜひ1つのケースとして参考にしてください。

まずは、先ほど言ったように「トライ&エラー」の蓄積が一番の特効薬であることは間違いありません。一旦酷なことを言うと、小さい頃からオシャレに興味を持ってきた人たちは、小さい頃からスポーツチームのユースに所属しているとか、3歳からバレエを習っているとかというのと似た状況といえます。何の分野においても積み重ねってとても大切なんです。

ちなみに、私にはその積み重ねが相対的に希薄でした。それなのに今の仕事は、きっと小さい頃からオシャレだったはずの美容師さんたちに対して、コンテストで作品に優劣をつけたり、講演したりせねばならないのです。これは大変!

そんな私は、振り返ってみると2つのことを努力してセンスを磨いてきたのだなとあなたの質問で気づくことができました。 

①《装う》を科学してみるという方法

1つは、これは偶然なんですが、装うことや美しい感じる理由などを学問的に研究していました。

大学時代の専攻が「美学芸術学」や「パフォーミングアート(舞台芸術・映画)」で、絵画や映画、マンガから音楽まで、さまざまなアートがなぜ受け取る人の心を打つのか、表現効果についての知識をたくさん蓄積していたんです。その結果、たとえば1つの髪型を見るときも《受け取る人》 に対してどんな印象を与えるのかという視点で見始めると、スルスルと解読することができるようになりました。なので、きっと私はなぜそのような前髪の長さにするのか、ヘアカラーの色が与える効果を、頭の中で絵や映画に置き換えて考えているんですね。

なので、これからやっていくことができる鍛え方の例としては、ドラマやCM、映画、漫画などを見るときに、登場人物の装い(髪型や洋服)に対して「なぜこんな恰好をしているんだろう?」と考えてみるのが初めの一歩になるかと思います。

さらに、もう少し踏み込みたい場合は、古い映画を中心にファッションの歴史をさかのぼっていくのもオススメです。特に、戦時中(1910~40年代)の西洋において、映画は国力を誇示し、観客を煽動する道具でした。なので、人々をうっとりさせるための仕掛けが随所に施してあり、その動機は不純ですが、ビジュアルメイクすべてに意味があり、視覚芸術作品として非常に完成されています。

②他者にゆだね、自分をに内部から取り出すこと

最後に、2つ目のセンスの磨き方は、自分自身が「素敵だな」と思う人の意見に身をゆだねてみることです。美容師さんでもいいし、雑誌やテレビを見ていてカッコいいなと思う人のファッションや髪型を参考にしてみるのです。

「カッコいい人のマネをしても自分とは違うのに」と思うかもしれませんが、人間って不思議で、自分に似た要素がある人に惹かれることが多いんです。

私はこの年になって特定の芸能人のマネをするのもちょっと…って感じなので、基本的に美容師さんのお友だちにすべてゆだねています。人に講釈を垂れる割には、自分は勧められるがままで乗り切っています(笑)

あ、あと、この考え方に派生して去年1年間10人の美容師さんに髪を切ってもらっていた話をしましたが、そのたびに「褒めてくれた人」をチェックして分析していました。この美容師さんに切ってもらった時は男性ウケがよかった、この人のときは20代の子によく褒められた、このときはオバサマウケが良かった…といった感じです。

小さい頃からミーハーというよりはオタク気質でよかったな私…と、今改めて痛感してます(笑)。経験の蓄積がない分、深く掘り下げていくことでリカバリしてきたんですね。

装いは主義であり、他者理解である

答えになったでしょうか? 繰り返しますが、すべてあくまで私の経験則です。いろいろ見聞きしているうちに「おまえの考え方のこの部分は納得できない」なっていくかもしれない。

それは大歓迎です。

太古より《装い》の根底は「主義」「主張」なので、自分の意見が生まれてくるとホンモノです! 

共感やイイネだけの世界からは、本当のセンスは磨かれないんです。 

***

以上が回答文のほぼ全文(若干のリライトあり)になります。

まずは、あの日「すごいな~」から一歩踏み込んで「センスって何だろう」と気になったその年若い質問者さま自身に、とても《センス》を感じたという話でした。

かといって、別にこの世界を強要するわけでもないので…私が《髪と装い》にのめり込んだように、打ち込めるものを見つけてほしいなと。その方にとっての何かのトリガーになったらうれしいなと思うんです。

それが、わたしには宝塚音楽学校を受けたことにあったなと思ってます。

まず次回は「受けたい」っていうまでの煩悶を記録していきます。(なかなか本番に辿り着かないスタイル)

ご静聴ありがとうございました。

【参考文献】

美学や芸術に関して質問者さんに勧めた文献の数々。ついでなので★

髪書房WEBZINE インタビュー“センス”はあるものでなく、鍛えるもの

弊社のもので恐縮ですが「なんだかいいな」には理由があるというお話です。

書籍『構図がわかれば絵画がわかる』『色彩がわかれば絵画がわかる』『「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか 』など
上記インタビューの評論家 布施さんの入門書はとてもわかりやすいです。ファッションや美容の参考にもなります。

書籍『美と芸術の論理』 木幡順三 著
これは大学時代に教科書にしていた美学の入門書。ファッションというよりも、民俗学やイデオロギーも包括したアート全般に関する名著だと思います。オタクは読んでみてほしい。

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