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お坊さんの放参日って何? 〓結一円(ゆいま〜る)が4、9日営業で再スタートの理由(わけ)とは?〓

前回の投稿では、わたくしキー坊が実際に半年間、修行道場で配役を仰せつかっていた禅寺の台所"典座"について少し解説をさせて頂きました。

今回は"放参日(ぼうさんび)"についてお話しします。

一般の方はなかなか聞き慣れない言葉だと思いますが、禅宗のお坊さんの間では日常的によく使われる言葉で、初めて意味を理解した時私も「お坊さんにはそんな習慣があるのか」と驚いたものでした。

もともとは「参禅がない日」という意味だったそうですが、坐禅以外にも作務や振鈴(起床)時間が免除されたり、修行僧がお風呂に入ったり掃除・洗濯をしたり浄髪(髪の毛を剃ったり)したり身の回りのことを、この4と9がつく放参日に行う習慣があるのです。

見方を変えると日頃の戒律だらけの修行道場の生活から、娑婆的な生活にふっと一瞬立ち帰れる日、それが放参日(4、9にちとも言う)ということになります。
これは食事(飯台)にも反映されて、動物由来の食材を使わない如浄(日頃)の精進料理からちょっとだけ離れて比較的一般社会に近い食事が摂取できるようになります。
私が修行した大本山・總持寺ではラーメンやパスタ、シチューなどが放参日のメニューの定番でしたが、なんと言っても肉、魚以外にも謂わゆる五葷(ねぎ・にんにく・にら・玉ねぎ・らっきょう)と言われる体内を興奮させ神経を刺激するような食材も摂取可能となるため、「放参日と言えばカレー」というのが修行僧の間では言わずと知れた暗黙の認識でした。

五葷についてはこちら👇

戒律だらけの修行道場の中で食べるカレーライスは修行僧にとってまさに至福のひとときとも言えるほどの贅沢なありがたい時間でしたが、このたび
修行道場を卒業して一般社会に復帰したとは言え、やはりこの修行僧の生活スタイルに倣って行動したい、という想いから結一円(ゆいま〜る)を放参日の営業スタイルにしたというわけです。

お通夜やお葬式など、急な法要と重なった場合はたいへん残念ではありますが葬儀のおつとめを最優先致します。お出かけの前にお電話等で事前確認されることをお奨めします。

メインメニューはズバリ地元の若楠ポーク、有田どり、伊万里牛のみに限定。もちろん放参日なので玉ねぎ、ニンニク等も使います。
それらに合わせて、開業当初からずっとお付き合いさせて頂いている半径10km以内の地元農家さんが栽培する優れた季節野菜とお米をふんだんに使用し、器は武雄焼きの窯元さんの陶器にこだわる姿勢は今後も変わりありません。

4月9日(土)より毎月4と9のつく平日および土日祝日。
また皆様と以前にも増して、楽しい時間を共有できる居場所をクリエイトできれば、と思っております。


最後まで読んで頂きありがとうございました。
       聖人   九拝

※4、9日(しくにち)についての解説は、
こちらも参照にされて下さい👇

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