【追記あり】NHKのウェブサイト「就活ニュース」の記事に対する抗議文と公開質問状を提出しました→回答を頂きました

2022年6月13日、NHKのウェブサイト「就活ニュース」の記事に対する抗議文および公開質問状を提出しました。団体では、NHKより、2022年7月15日までに、何らかの返答を頂けるようお願いをしております。


【追記:2022年8月4日】
回答を頂いていない項目について再度質問をしたところ、2022年7月29日、NHKより回答を頂きました。

「過日、ご回答させていただいたとおり、NHKでは、不当な差別やハラスメントを容認しないという立場でコンテンツの取材・制作を行っており、今回、貴団体よりいただいたご指摘につきましても、当事者意識をもって問題に取り組まれている方々の貴重な声と受け止め、今後の業務にいかしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

なお、NHKの採用に関するご質問については、個別に回答はいたしかねます。
この点ご理解いただけますと幸いです。」


【追記:2022年7月18日】
2022年7月12日、NHKより回答を頂きました。

「NHKでは、不当な差別やハラスメントを容認しないという立場でコンテンツの取材・制作を行っております。

ご指摘の記事については、就職活動の面接時における身だしなみなやマナーについて、専門的な知見を持つ方に話しを伺い就活生の疑問に答える形で記事化したものであり、性差別を助長する意図は一切ありません。

今回、ご指摘をいただきましたことについては真摯に受け止め、今後の業務にいかしてまいります。」



この文書で挙げた問題点は以下の2点です。

①就職活動において、「女性」は靴下ではなくストッキングを履くべきという指南がされている



当該ウェブサイト内の記事
「ことしもオンライン?事前の準備や服装は? どうする面接(1)」(https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/syukatsu/syukatsu870/
(2022年3月4日公開、同年3月7日更新)

において、聞き手の梶原龍氏・小野口愛梨氏とキャリア・コンサルタントの美土路雅子氏の間で、以下のような会話が行われています。

梶原氏「オンライン面接の際の服装や髪形はどんな点に気をつければいいですか。」
美土路氏「基本は対面の面接と同じようにきちんとスーツですね。下も見えないですが、きちんと整える。」
小野口氏「女性の場合、靴下じゃなくてストッキングとか…。」
美土路氏「本当は面倒くさいですけどね。」


男女二元論に基づいて一方的に「女性」とみなした人や、本人が望むと望まざるとにかかわらず「女性」として生活をしている人にのみ、ストッキングの着用を強要することは、差別にあたります。私たちはこの件について抗議をするとともに、NHKからは、靴下やタイツの着用が禁止される合理的な理由を聞かせてもらえるよう求めています。

画像1
「ことしもオンライン?事前の準備や服装は? どうする面接(1)」(https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/syukatsu/syukatsu870/)(2022年3月4日公開、同年3月7日更新)


②就職活動において、「女性」が化粧をすることは礼儀や身だしなみであるという指南がされている



当該ウェブサイト内の記事
「「就活メーク」(1) 就活メークと普通のメーク どう違うの?」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/syukatsu/syukatsu170/
(2019年8月21日公開)

において、学生リポーターの伊藤氏と資生堂ヘアメイクアップアーティストの中山夏子氏の間で、以下のような会話が行われています。

伊藤氏「やっぱり、ノーメークよりはメークをした方がいいですか?」
中山氏「全くのスッピンより、社会人としては、礼儀や身だしなみとしても大事かなと思いますね。」


男女二元論に基づいて一方的に「女性」とみなした人や、本人が望むと望まざるとにかかわらず「女性」として生活をしている人にのみ、化粧を強要することは、差別にあたります。私たちはこの件について抗議をするとともに、NHKからは、なぜ、「男性」に強要されない装飾が「女性」にのみ強要されるのか、ということについて、合理的な理由を聞かせてもらえるよう求めています。

画像2
「「就活メーク」(1) 就活メークと普通のメーク どう違うの?」(https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/syukatsu/syukatsu170/)(2019年8月21日公開)


公開質問の内容


上記、2つの記事に対する質問と併せて、以下の質問をしています。

・初めに掲げた記事の問題点については、SNS上でも多くの批判が寄せられていました。その影響か、一度記事が更新され、差別的な指南が一部改められたものの、すべてではありませんでした。現在も記事に残る差別的指南については、御協会は「差別」にあたらないという認識でしょうか。

・御協会は、差別に反対する立場でしょうか。それとも、差別を容認する立場でしょうか。

・御協会は、御協会への就職を希望する者が、自らのジェンダーアイデンティティに沿った服装で選考に臨んだり、性差別的な服装指南に従わない服装で選考に臨んだ場合、それを理由として減点をすることがありますか。

・性差別的な就活服装・マナー指南に関して、過去から現在に至るまで、無数の人々から悲痛な抗議の声があがっていることはご存じでしたか。


性差別や多様な性のあり方に関して積極的に学び、良質なコンテンツを日々発信しているNHKが、このような差別的な指南を掲載し続けていることは、残念でなりません。皮肉ではなく、心からそう感じております。

以下に、抗議文および公開質問状の画像を掲載します。

抗議文1
抗議文2
抗議文3
抗議文4

NHKから回答が得られ次第、こちらのnoteにも追記をしていきます。

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