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映画感想「マイ・インターン」(原題:The Intern)

観た映画

あらすじ

舞台はニューヨーク。華やかなファッション業界に身を置き、プライベートも充実しているジュールス。そんな彼女の部下に会社の福祉事業として、シニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールスだが、やがて彼の心のこもった仕事ぶりと的確な助言を頼りにするようになる。そんな時、ジュールスは仕事とプライベートの両方で思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られる──。

Amazon Primeより

心に残った場面

深夜のオフィスで、社長であるジュールスと、シニアインターンのベンが語り合う場面が印象的だった。この場面からジュールスがベンに心を開いていくように見えた。ジュールスは、それまでのベンの仕事ぶりを見て、彼が機転が利くことや観察力があることをはじめ、その有能さを評価していたはずだが、一方で警戒心も抱いていたように見えた。

では、なぜこの場面で心を開いていったのか。
ベンとこのオフィスの意外な関係を知ったり、人生史に触れたりすることで敬意や共感の念が生じたためだけでなく、それまで知らなかったベンの意欲に気づいたためと思われた。

なぜ心に残ったのか

人が人に対して心を開くのはどのような瞬間だろうか。
思うに、相手が大事にしている価値観に触れ、人となりをより深く知ることができたと感じたときではないか。
今回のシーンでは、ベンが長年働いてきた経験や時間の重みに触れるとともに、ベンが現在このオフィスで働いていることへの意欲に思いを馳せたことで、ジュールスはこのシニア・インターンに対する認識を改めたのだろう。
相手が普段は口に出さない思いであったとしても、その人自身がどうありたいかという価値観に触れた時、人は心を開くのではないかと思った。

登場人物の行動から自分の生活を振り返る

エンディング後のメイキング映像の中で主演のアン・ハサウェイが述べている通り、この映画は、一人の人物が周りに好影響を与える物語である。

ベンは、日頃から優れたフォロワーシップを発揮しており、いざという時には率先して問題解決のためのリーダーシップを発揮する。特定の役割や立場に甘んじるのではなく、柔軟に状況に対応している。その率直な姿勢と、献身的な行為による他者貢献が徐々に人々の信頼を勝ち得ていく。

ここで、ベンは、若者に対しても年長者だからといって威張るわけでもなく、一方でIT技術を使いこなす若者たちや上司に対して卑屈になるわけでもない。むしろ、たとえ年下であろうが、画期的なビジネスを立ち上げたジュールスに対して敬意の念を持っている。

ベンは、アドラー心理学で述べられている、縦の関係ではなく横の関係を築くことを実践していると考えられる。
このように、どのような相手に対しても横の関係を築き、勇気づけのアプローチをしていく人でありたいと思った。

今後の生活に役立てたいこと

ベンにとって”好きな名言”は以下の言葉だった。

”You’re never wrong to do the right thing.”
「正しい行いは迷わずやれ」
  ―マーク・トウェイン

映画「マイ・インターン」より

他者からの評価ではなく、自らの価値観に則って、よいと思ったことは直ちに行動に移せる心のあり方でいたい。

以上

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