書くということ

そう、それは1997年頃、インターネットに初めて触れた時のことだった。

大学1年目の情報処理講義という必修科目で、初めてパソコンに触れ、WindowsだのWordだの、Eメール(と当時は呼んだ)のようなコミュニケーションツールに心躍り、最終課題としての「ホームページを作成して公開」して以来、まるで世界が変わってしまった。自分の見る世界の見え方が。

単位が出た後も、手元でHTMLを更新してはFTPでUPし、ーーいや、当時はmuleで直接ファイルを編集していた気もするが(当時の大学はUnixであった)、コツコツとコンテンツを増やしていったものだった。

程なくして、日記をつけようと試みることになる。毎日書くのは大変だなあと思ったので、週に1回という意味を込めて、週記と名付けたのを覚えている。HTMLのタグを覚えるのは楽しかったし、何より、手元のノートではなく、インターネット上に何かを綴り、親しい友達から「見てるよ」なんて言われるのも嬉しいものだった。

大学卒業まで欠かさず毎週書いた。あの頃から、「書くということ」を知っている。

社会人になってから、書かなくなった。正確には、書いていたに違いないが、発信しなくなった、ということだろう。

ブログというものが出始めた時、ああ、HTMLを知らなくても気楽に書けるようになったようなものか、と訳知り顔に間違った解釈をし、「書くということ」を再開するチャンスを逃した。

あれから20年、訪れたのはチャンスではなく、自己実現欲求と言えるのか、それとも、溜め込んだ何かを表現することで身を軽くしたいからなのか、とにかく、「書くということ」をしようとしている。

何がどうなるかは分からない。しかし、「書くということ」が何かの始まりであることと、それが、きっと何か良いことをもたらすに違いないという思いを持って、20年ぶりの今この時を記すことにした。

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