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『日本の構造』

【2019年以降注目のマーケティング関連書籍】その15

『日本の構造』

 著著:橘木俊詔
 出版社:講談社
 第1刷:2021年3月17日

日本の構造

1. 本書を読んだ背景

本年(2021年)5月7日にアップいたしました『現代日本人の意識構造』の類書です。

現代日本の意識構造

やはり、私の主業務であるトレンド分析・デスクリサーチの必須文献です。

(と言っても、最近、そんなこだわりが、まるで憑き物が離れたかのようになくなり、私の今までのマーケティング・リサーチ経験を皆様に活かしていただくことに喜びを感じております・・・、業界の変革期を実感しながら)

2. どんな人に向いているのか?

マーケティング関係者にとどまらず、どんな業種・職種の方でも、ざっくりと【日本の経済・社会の構造】を俯瞰的にとらえておきたい皆様に向いていると思います。
amazonの書評を眺めていると、「内容が浅い」という批判も見受けられますが、50もの統計データが網羅されてますので「深さ」を求める方がないものねだりでしょう。
また、統計手法云々の批判も見ましたが、はっきり言って「新書」ってのは“そういうもん”なんですよ(笑
マスに向けた新書に、専門家向けの専門書の内容を求めるような贅沢な皆さんもいらっしゃるんですね、ということを知り勉強になりました(笑

3. 本書のポイントと感想

そうですね、5月アップの類書『現代日本人の意識構造』もありますし、今回は特にポイントを3つ挙げて記すまでもないでしょう。

ただ、一点だけ言いたいことは、私達はネット経由の情報に慣れ親しみ過ぎていると思います。私も例外ではありません。
ネット経由とはいっても、ニュースソースはほぼマスコミの一次情報なんですが、どうしてもバイアス(偏り)はかかりますよね?
情報発信側、情報中継側、そして情報を受ける私達。
古い事例ですが、2006年に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(城繁幸 著)という新書がヒットし、「3年で辞める」はバズワードにもなりました。
で、本当に3年で辞めた新卒者の割合を本書で確認すると、2017年で中学卒6割、高校卒4割、大学卒3割。
本が出た2006年は、中学卒が7割で2017年より1割高く、高校卒と大学卒は変わらずという結果です。
ちなみに、日本で10年以上同じ企業に勤続している人の割合は46%。
これはフランスとほぼ同程度で、イタリアより4ポイント低いそうです。

そういう事情もありますので、俯瞰的にでも「常識」としておさえておきたい情報を、一冊の新書で"まとめて"(スマホとの違い)押さえられることには、ネットにはない利便性があると思うんですよ。

「男女間格差といいますが、実際、女性の賃金は男性の75%なんですよ・・・」
「格差社会といいますが、非正規社員は正規社員より年収が60%低いんですよ・・・」
「中学生で塾に通ってる子供は、通ってない子供より数学の平均点数が20点、高いんですよ・・・」

以上です。
それでは皆さま、良いお年を!


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水琴窟


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