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『電通現役戦略プランナーのヒットをつくる「調べ方」の教科書』


【最近注目のマーケティング関連書籍】その2

『電通戦現役略プランナーのヒットをつくる「調べ方」の教科書』
 著著:阿佐美綾香
 出版社:PHP研究所
 第1刷:2021年10月5日

1.本書を読んだ背景

昨年(2021年)10月刊行の本なので、買ってから1年も経っていないわけですが、なぜ買ったのか全く覚えておりません。何かの必要に迫られたわけではなく、大型書店内で衝動買いしたとしか考えられません。

2.どんな人に向いているのか?

第4章で著者が書かれている通りだと思います。
(マーケティングリサーチの)「専門外の人」に読んでもらいたいそうですが、全くその通り。事業会社や代理店、コンサル会社の、厳密にはプランナーですが、業務上、マーケティングリサーチに携わる必要のある皆さんでしょう。
著者自らが「類書」と考えている書籍は、『「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本』(柏木吉基著・日本実業出版社)、『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(ハンス・ロスリング他著・日経BP)のようです。

私が本書を読むことをオススメしないのは、リサーチャー(特に定性調査)やイノベータ理論など、経験を積まれた〝その道に精通している専門家〟の皆さんです。
理由はあえて書きません。

3.本書のポイントと感想

リサーチ目的のポイントが明確です。
「ターゲット」→ インサイト(カテゴリー&ヒューマン)→「セールスポイント」。
本書で解説されている調査目的もシンプルです。
 1.ヒット商品開発
 2.戦略
 3.ロングセールス
著者はさすが代理店さんのプランナーだけあって、商品・サービスと時代とのチューニングには細心の注意。私の専門の一つであるデスクリサーチのご知見・ご経験も豊富です。
そして、学術の知見を吸収しつつも、徹底して実務!実務!実務!の本書で著者は、よく聞く「リサーチ不要論」へのロジカルな反論(主張)はお見事です。「調査と直感」を二項対立で考えるのは〝古い〟発想で、お若い著者はあっけらかんと、「直感の精度を高めるのが調査でしょ?」というのは私の表現ですけど、こういうロジック、というかセンスは、調査会社のリサーチャーにはあんまり見られないような気がします。
調査結果の活用も現場感100%です。新商品パッケージ決定では、社内専門家たちの意見を集約、調査ではTOP2スコアで最も高かった案ではなく、TOP 1で最も高かった案を選んだ経緯など、書籍で書かれることはほとんどないと思います。
細かいところでは、競合分析の章の「パーセプションチェンジ」とか、プランナーさんならではの方法論とか面白かったです。
ページ数は多いですが、面白いので1日で読んでしまいました。
あと、読者特典でPDFとパワーポイントで多くのテンプレがダウンロードできるのは超、お得です!!!

以上です。

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