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要人コメント分析 経団連の十倉雅和会長による少子化対策財源に対する発言
経団連の戸倉会長は、日経新聞に対するインタビューで以下の発言をされました。
経団連の十倉雅和会長は日本経済新聞とのインタビューで、政府が進める少子化対策の財源について「消費税も当然議論の対象になってくる」と述べた。政府・与党では社会保険料の活用案が浮かぶが、十倉氏は「賃上げ分を全て社会保障に回されると賃上げの実感を得られない」と幅広い層に負担を求めるのが望ましいとの見解を示した。
個人的に重要と感じた部分を太字にしています。
戸倉会長がこの発言をしたのは、少子化対策の財源として社会保険料活用となると企業の負担が増えるため、それはなんとしても避けたいと考えたからだと思われます。
また、賃上げの実感を得られない旨も発言されていますが、消費税増税になれば、賃上げの実感どころか賃上げが帳消しになる可能性大です。
消費税増税となれば、景気が上向きつつある現状から一転し、消費が抑えられ景気が後退するのは目に見えています。
2019年に消費税が8%から10%に引き上げられましたが、そのせいで2019年の税収は前年を下回りました。
それを忘れたというのでしょうか?
ちなみに、直近の税収の状況は、物価高の影響により大幅な増加が見込まれ、このことからも景気が上向いていることがわかります。
〇国の一般会計税収が大幅に増加している。足元の月次税収の趨勢を踏まえ、2022 年度は 72 兆円程 度への着地を予想。22 年度税収は当初予算時点で 65.2 兆円のところ、昨年 11 月の補正予算時点 で 68.4 兆円と上方修正がなされたが、ここから更なる上振れ着地が予想される。
〇背景にはインフレ・円安、賃金・雇用の回復などがある。足元で特徴的なのが景気の振幅に影響 されにくい消費税が大きく伸びている点。およそ 40 年ぶりの物価急上昇は、税収にもこれまでに ない変化をもたらしている。
コロナ禍からの反動で、消費が回復したことで、消費税が伸びていると思われますので、ここで消費税増税で水を差す必要はないはずです。
経団連は、日本の代表的な企業1,494社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体108団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(2022年4月1日現在)。
その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。
経団連の役割は、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することとなっていますが、本当にそうなのでしょうか?
企業の論理からすると、社会保険料負担増では純利益が減り、株主への配当も減る恐れもあることから、株主を当然気にします。
このことから、戸倉会長の発言は企業側の都合を暗に示した発言だと思われても仕方がないと思います。
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