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2023年2月 機械受注発表 企業の設備投資への意欲は?

自己紹介

この記事に興味を持って頂き、ありがとうございます。
大学で経済や会計を学び、更に学びを深めるため、日々企業の財務諸表や経済指標に目を通しています。
それを自身のためだけでなく、読者の皆様の金融リテラシーの向上に貢献できればと思い、記事を投稿しております。

機械受注統計について

毎月、内閣府が経済指標の内、先行指標として発表しています。
具体的には、機械メーカーが受注した設備投資用の機械の受注額を集計したものとなります。
このデータの中で、「船舶・電力を除く民需」の数字が大切とされています。
そのため、この後も「船舶・電力を除く民需」に焦点を絞ってデータを見ていきます。

2023年2月の結果

令和5年4月12日 内閣府経済社会総合研究所より引用

2023年2月の民需(船舶・電力)の実績は、前月比△4.5という結果でした。
グラフで見ると、以下のようになります。

令和5年4月12日 内閣府経済社会総合研究所より引用

こちらのグラフは、民需(船舶・電力を除く)の金額ベースのグラフです。
内閣府の直近の分析では、グラフ上部のコメントにあるように、足踏み状態と表現しています。

グラフを前月比ベースで見ると、以下のようになります。

令和5年4月12日 内閣府経済社会総合研究所のデータをもとに作成

ただ、全体を俯瞰して見ると、違った見方が出来ます。

令和5年4月12日 内閣府経済社会総合研究所より引用したものを加工

コロナウィルスの影響が強かった2020年前半を底にして、その後右肩上がりで回復していることが見て取れます。
このことから、企業は着実に設備投資を行い、事業を拡大しようとしていることがわかります。

また、2023年2月の水準は、以下の通りです。

令和5年4月12日 内閣府経済社会総合研究所より引用したものを加工

青い横線を見ると、2018年4月とほぼ同水準となっており、コロナ前の状態に戻ってきています。

このことからも、短期間で見ると確かに足踏み状態ですが、俯瞰して見ると、着実に企業の設備投資は回復傾向にあります。

まとめ

設備投資は、国内総生産であるGDPの項目の一つであり、その増加は経済成長への大きなカギとなります。
今後、設備投資が今後更に増え、それらによって生産できたものに対し、原料費やエネルギー費高騰分をうまく価格転嫁させることができるかが、企業業績をコロナ以前よりも押し上げるポイントとなると考えます。

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